SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

特集記事

Visual C++ 2010に追加されたSTLアルゴリズム

── Visual C++ バージョン10で拡充された関数群


  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 本稿ではVisual C++ 2010で新たに追加されたSTLアルゴリズムを一気に紹介します。プロトタイプと説明/サンプルが淡々と続きます。適宜リファレンスとしてお使いください。

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 この記事が公開される頃にはVisual Studio 2010のパッケージ販売が始まっているでしょうか。MSDN Subscriptionでは先行提供されていますし、各言語のExpress版が公開されていますから、初物(?)の好きなミナサマは早速遊んでいらっしゃることと思います。

 C++屋の僕にとって一番嬉しかったのはVisual C++ 2010(vc10)でC++0xに(完全ではないにせよ)準拠してくれたこと。特にlambda式にはドキドキさせられました。lambda式のサポートにより、より明快でコンパクトな表現が可能になりました。正規表現(regex)や配列(array)、賢いポインタ(shared_ptr/weak_ptr)などなど、サポートが待ち望まれていたクラス群が追加されています。本稿ではvc10で新たに追加されたSTLアルゴリズムを一気に紹介します。

 以降、プロトタイプと説明/サンプルが淡々と続きます。適宜リファレンスとしてお使いください。

none_of, any_of, all_of

template <class InputIterator, class Predicate>
  bool none_of(InputIterator first, InputIterator last, Predicate pred);

template <class InputIterator, class Predicate>
  bool any_of(InputIterator first, InputIterator last, Predicate pred);

template <class InputIterator, class Predicate>
  bool all_of(InputIterator first, InputIterator last, Predicate pred);

 ふたつのイテレータfirst、lastを始点と終点とする範囲[first,last)が指す要素のうち、与えた条件を満たす要素の数が「0か」「1以上か」「すべてか」を判定するのがnone_of、any_of、all_ofです。

#include <iostream>
#include <functional>
#include <array>
#include <vector>
#include <iterator>
#include <cassert>

#include <algorithm>
#include <numeric>

using namespace std;

int main() {
  function<bool(int)> u_positive = [](int n) { return n > 0; };
  function<bool(int)> u_negative = [](int n) { return n < 0; };
  function<bool(int)> u_zero     = [](int n) { return n == 0; };
  function<bool(int)> u_even     = [](int n) { return n % 2 == 0; };
  function<bool(int)> u_odd      = [](int n) { return n % 2 != 0; };

  bool result;
  typedef array<int,5> ia5;
  ia5 c = { 2, 3, 4, 5, 6 };

  // none_of
  result = none_of(c.begin(), c.end(), u_zero); // 0は一個もないよね
  assert(result);
  result = none_of(c.begin(), c.begin(), u_zero); // 空集合なら当然true
  assert(result);
  // 従来こう書いてた
  result = find_if(c.begin(), c.end(), u_zero) == c.end();
  assert(result);

  // any_of
  result = any_of(c.begin(), c.end(), u_odd); // 偶数は少なくとも一個ある
  assert(result);
  result = any_of(c.begin(), c.begin(), u_odd); // 空集合なら当然false
  assert(!result);
  result = any_of(c.begin(), c.end(), u_negative); // 負数は一個もないからfalse
  assert(!result);
  // 従来こう書いてた
  result = find_if(c.begin(), c.end(), u_odd) != c.end();
  assert(result);

  // all_of
  result = all_of(c.begin(), c.end(), u_positive); // ぜんぶ正数だからtrue
  assert(result);
  result = all_of(c.begin(), c.begin(), u_odd); // ※注意: 空集合に対してはtrueです
  assert(result);
  // 従来こう書いてた
  result = find_if(c.begin(), c.end(), not1(u_positive)) == c.end(); // ~でないものは存在しない
  assert(result);

……つづく

次のページ
find_if_not

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
特集記事連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

επιστημη(エピステーメー)

C++に首まで浸かったプログラマ。Microsoft MVP, Visual C++ (2004.01~2018.06) "だった"りわんくま同盟でたまにセッションスピーカやったり中国茶淹れてにわか茶...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/5206 2010/06/22 10:55

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング