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FileMakerカンファレンス2010が開催
新製品ラッシュだった今年を振り返り、さらにFileMaker Goの日本語版を披露

「FileMakerカンファレンス2010」レポート(1)

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 今回で2回目となる「FileMakerカンファレンス2010」が2010年10月29日に東京・秋葉原で開催された。本記事では、キーノートの内容をお届けし、別の記事で、iOSで利用できるFileMaker Goを取り上げたテクニカルセッションの内容をご紹介する。

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 今回で2回目となる「FileMakerカンファレンス2010」が2010年10月29日に東京・秋葉原で開催された。ファイルメーカー株式会社(日本法人)の社長ビル・エプリング氏らの基調講演を皮切りに、開発者向けのセッションやビジネスセッション、そして各社の展示やワークショップなどが開催され、多数の来場者が詰めかけた。本記事では、キーノートの内容をお届けし、別の記事で、iOSで利用できるFileMaker Goを取り上げたテクニカルセッションの内容をご紹介する。

FileMaker Goのリリースによって
製品系列はさらに幅を広げた

 キーノートセッションは、ファイルメーカー株式会社の社長ビル・エプリング氏(FileMaker Inc.の上席副社長およびCFOでもある)による同社のビジネス的な現状についての解説から始まった。FileMakerは使いやすいデータベースとして1600万本を超える出荷を果たし、会社設立以来常に利益を出していることが説明され、現在も研究開発に積極的な投資をしていることが説明された。最近では、iOSに対応したFileMaker Goがリリースされ、短期間にアップデートを重ねるなど、高い評価を得ている。新たなプラットフォームへの進展を「Game Change」(ビジネスのやり方が変わるほどのインパクトの意味)と表現した。

 製品系列や関連するコミュニティなどの解説に続いて、同社の国別の販売シェアをグラフで示した。40%ほどが米国でトップシェアであることに対して、日本は単一の国としては2番目のシェアとなり(グラフでは20%ほどと読み取れる)、日本は最重要なマーケットであることが紹介された。日本でも多くの会社や団体で使われていることが紹介され、大学卒業予定者の人気企業ランキングの上位100社のうち91社で使われていることも紹介された。

 同氏のプレゼンテーションの最後にFileMakerを選択する理由がいくつか紹介されたが、氏が強調したのはROI(投資収益率)が高い点だ。投資した結果が大きくビジネスに反映される点をアピールした。

図1 ファイルメーカー株式会社社長、ビル・エプリング氏
図1 ファイルメーカー株式会社社長、ビル・エプリング氏
図2 全世界の売上の中で日本は大きなシェアを持つ
図2 全世界の売上の中で日本は大きなシェアを持つ

FileMaker 11の新機能やGoのユニークな機能に加え
日本語対応するFileMaker Goも紹介

 続いて、FileMaker, Inc.のシステムエンジニアであるマシュー・オ・デル氏が登場した。まず、2010年はFileMaker社にとってめまぐるしい年だったとして、この年にリリースされた、Bento 3、Bento for iPad、FileMaker 11、FileMaker Goを紹介し、特に後の2つは大きな意味があることを示した。

 そしてFileMaker 11の新機能を中心にFIleMaker Pro 11をデモンストレーションで紹介した。レコードの一覧にグループごとに合計を表示するような集計機能は従来からある機能だが、プレビューモードだけでなくレイアウトモードでも表示できることや、テーブルビューでも表示でき、集計項目もデータの表示状態からダイナミックに追加などができることが示された。また、グラフの作成機能も紹介するとともに、スクリプトトリガーによりグラフ自体をダイナミックに切り替わるデモが行われた。そして、データベースの表示結果だけを含めたスナップショットファイルの紹介が行われ、ファイルをメールで送れば別の人も同様な検索結果の画面が見られることが説明された。さらに、検索処理では、「Googleスタイル」とでも言うべき、検索窓にキータイプして複数のフィールドからの検索ができることが示された。他にはスクリプトトリガーで検索結果によって異なるレイアウトを表示することや、ポータル表示結果にフィルタ設定ができて表示内容を絞り込めること、グローバル変数を用いてレイアウトに結果を表示することで言語ごとに異なる表示ができること、スピーチ機能との組み合わせなどがデモされた。

 続いて、FileMaker Goのデモに移った。FileMaker GoでもFileMakerのデータベースが利用できることが示された。さらにFileMaker Goの特徴的な機能に紹介が移る。バーコードの読み取りができることが示され、FileMakerからCNS Barcodeという別のアプリケーションを読みだし、内蔵カメラでの読み取りが行われた。また、FileMaker Goで写真を撮影してオブジェクトフィールドにデータを挿入し、その結果がFileMaker Proでも同じように見えることも紹介された。そして、同氏がデモしているiPadのFileMaker Goのメニューが日本語で表示されていることが示され、近々日本語メッセージに対応したアップデート(5か国語に対応)が行われ無償でアップデートされることも公開された。

図3 FileMaker, Inc.システムエンジニア、マシュー・オ・デル氏
図3 FileMaker, Inc.システムエンジニア、マシュー・オ・デル氏
図4 日本語でメニュー項目などが表示される時期バージョンのFileMaker Go
図4 日本語でメニュー項目などが表示される時期バージョンのFileMaker Go

基幹データベースなどに接続可能なESS
利用方法やシステム構成などを紹介

 キーノートの最後は、FileMaker, Inc.のソフトウエアエンジニアの西山慎一氏による外部SQLデータソース(External SQL data Source: ESS)に関する解説が行われた。ESSの仕組みにより、FileMaker ProはFileMaker以外のデータベースを、FileMakerのデータベースとほぼ同様に使えるようになる。ODBC 3.5に対応したデータベースアクセスの仕組みが統合され、MySQL、SQL Server、Oracleに対応している。従来までは、インポートやSQLコマンドを発行するスクリプトがあったが、さらにデータベースとして外部のソースが使える点が進化したポイントとなっている。FileMaker Proを実行するクライアントのODBCを使う方法と、FileMaker ServerでODBCを接続する方法があるが、後者だとクライアント側には設定不要となる。FileMaker 11ではさらにWindowsのシングルサインオン、値一覧のサポートなどが追加されたことが紹介された。

 そして、ESSの実際の利用方法が説明された。まず、ODBCはシステムDSNとしてデータベースの接続を行う。Windows Server 2008の場合は32ビット版を利用すること、そしてMacintoshの場合はデータベースをUnicodeで運用することがポイントであることが説明された。また、Windowsではシングルサインオンを使うためにはローカルセキュリティポリシーの変更も必要となる。FileMakerは通常は悲観的ロックであるがESSに対しては楽観的ロックとなる。また、ESSの場合はテーブル定義の更新は手作業となる。その他、設定できない箇所についても説明があった。これらの諸設定と実際のアクセスがデモされ、FileMaker GoからもSQL Serverへの接続が可能なことなどが示された。

 最後にベストプラクティスとして、テーブルには主キーの設定を必ず行い、テーブルの設計を変更したら同期すること、エンコードをきちんと設定することなどが示された。パフォーマンスを上げるためには、不要なフィールドを使わないこと、リフレッシュやソートを極力避けること、WindowsではODBCプールを使用することなどが紹介された。そして、基幹データベースからの同期をしたワークグループデータベースを、例えばOracleのExpress Editionといったフリーのデータベースなどを利用して部門側に同期をして、そこに対してESS接続するといった使用方法も紹介した。

図5 FileMaker, Inc.ソフトウエアエンジニア、西山慎一氏
図5 FileMaker, Inc.ソフトウエアエンジニア、西山慎一氏
図6 基幹データベースの同期との併用も手法の一つとして紹介
図6 基幹データベースの同期との併用も手法の一つとして紹介
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