4)Canceling Azure subscription
- 質問:
- 回答:
Windows Azureにはデータのコピーを取得する機能はないため、ツールを使ってコピーを取得することになります。Azure上に残ったデータは自動的に削除されるので、重要なデータがある場合はツールを使う必要があります。
- 解説:
Windows Azureのアカウント削除の際に注意しなければいけないデータはストレージサービスに存在するデータ、およびSQL Azureのデータになります。そのデータの保存は回答にあるようにデータのコピーはツールを使う必要があります。
Azureストレージの場合としてCerebrata's Cloud Storage Studioというツールが紹介されていました。SQL Azureの場合としてSql Azure Migration Wizardが紹介されていました。海外製のツールですが、特にCloud Storage Studioは操作性に優れていて評判が高いため、お勧めです。
また、Windows Azure内部での削除が確実に行われているかという点も気になるところですが、マイクロソフト社から問題ない旨がアナウンスされています。具体的にはアカウント削除時を含むデータの削除操作が行われた際に以下の動作をするとのことです。
Windows Azureのストレージサブシステムでは、削除操作が呼び出されると、顧客のデータは即座に使用できなくなります。削除を含むすべてのストレージ操作は、即座に同じ状態になるよう設計されています。削除操作が成功すると、関連するデータ項目へのすべての参照が削除され、ストレージ API からアクセスすることができなくなります。
削除されたデータ項目のコピーはすべて、ガベージ コレクションの対象となります。物理的な磁気パターン(ビット要素)は、他のデータを保存するために関連するブロックが再利用されると上書きされます。これは、標準的なコンピューターのハード ディスク ドライブで行われている処理と同様です。この操作の詳細はホワイトペーパーに記載されているので参照ください。このホワイトペーパー(Windows Azure セキュリティ概要)は日本語化されていて、ダウンロードできます。
5)Set limits on the account spending.
- 質問:
- 回答:
利用料金の上限を設定することはできません。ただし、前月までの使用量の平均などを元に、一定の使用量を超えた場合にアラートとして電子メールが送付されます。
- 解説:
Windows Azureはクラウドサービスであり従量課金制という特徴を持っています。
コンピュートサービスの利用料金(インスタンスの数と種類による課金)、データ転送料金(Azure内部とインターネット間の通信料金)、ストレージ使用量による課金の3つに分かれています。
コンピュートサービスの利用料金はインスタンスの使用期間と数によって課金されるため見積りやすいのですが、データ転送料金は外部からのアクセスにより増減するため、見積もりが困難です。また、ストレージ使用量はアプリケーションによりますが、ユーザーからのデータの受け入れをする場合は想定ユーザー数を考慮する必要があります。そのため、回答にあるようなサービスを9月下旬からマイクロソフトで実施するようになったようです。
ただし、これまでならハードウェアの制限等により頭打ちになったアクセスの限界が、Windows Azureを使用した場合は制限なく拡大できます。そのため、アクセスにより増減する転送料金の問題もアプリケーションがアクセス増大と比例して売上が上がるようなアプリケーションであれば、頭打ちになることがないため機会損失がなくなるというクラウドならではのメリットも忘れてはいけません。
6)Reverse DNS lookup on Windows Azure?
- 質問:
- 回答:
AzureではDNSの逆引きは現在サポートされていません。しかし、Azureでは新機能のリクエストを受けつけているので、そちらに登録して機能リクエストを行うことで今後サポートされる可能性があります。
- 解説:
Windows Azureは新製品でまだまだ機能が足りているとは思えません。実際に筆者も触っていて問題を感じたことがあります。
しかし、マイクロソフト社は機能リクエストを受けつけた上で、受けつけた要望機能をすべて公開してユーザーから投票を受けつけています。2010年10月16日現在8件ほどの要望が機能追加されていました。また1件を受付中となっていて今後機能が追加される可能性があります。
自分が必要な機能がある場合は、声を上げることで自らの提案がWindows Azureに新機能として追加される可能性があります。
これまでマイクロソフト社は閉鎖的だという印象を受けていた方もいると思いますが、この例のようにユーザーからの声を集めて対応するような活動もしています。残念ながら現在のWindows Azureでは英語でのリクエストのみというのが難点ですが、欲しい機能があればぜひ登録してみてください。また、不具合の場合はMicrosoft Connectというサイトで受けつけているようです。
7)How long can my Cloud application run without Windows Azure OS Upgrade?
- 質問:
- 回答:
フォーラムではAzureOS 1.x系はWindows Server2008に準拠している(実際はベースになっているだけでAzure専用の独自OSのようです)ので同様になるのでは、という回答がありました。
- 解説:
筆者もAzureOSのサポートライフサイクルについて調べてみましたがよく分かりませんでした。米国のマイクロソフト社の方は、フォーラムにかなりの頻度で回答されていますが、このスレッドにはまったく書き込みがないので、明確なアナウンスがされていないため書き込みできないのではと推測しています。
ただ、例えば同じホストにホスティングされている他のサービスにも影響を与えるような緊急の問題が発生すればアップグレードが強制されるかもしれませんが、そうでなければそうそうアップグレードしないで運用を続けられるのではと推測しています。