AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンス
AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスは、SQL Serverフェールオーバー機能の上位機能にあたり、細かい部分で利用しやすいように改善されています。AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスは、従来のフェールオーバーと同様に共有ストレージを利用した可用性を向上させる機能です。
(1)マルチサブネットクラスタリングが可能に
フェールオーバーでは、同じサブネットに所属している必要がありましたが、AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスでは複数サブネットでのフェールオーバークラスタリングに対応しました。これにより遠隔地への災害対策目的で利用できるようになりました。
(2)共有ストレージ以外の配置が可能に
フェールオーバーでは、tempdbは共有ストレージ上にしか配置できませんでした。しかし、AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスではのローカルディスクに配置できるようになりました。tempdbの配置場所にSSDを使用することで性能向上させることができます。
フェールオーバーでは専用の共有ストレージが必要で、高価な機器が必要でした。AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスでは、共有ネットワークリソースを指定できるようになり、安価な環境で実現できるようになりました。
まとめ
AlwaysOn可用性グループという特徴的で便利な機能が追加されました。反面、障害発生しフェールオーバーした後、障害が発生しているサーバーを復旧させるには、復旧時にデータベースの復元が必要になるため、フルバックアップやトランザクションログバックアップなどSQL Serverについて見識のある担当者が必要になります。
一方、AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスは、従来のフェールオーバー機能の拡張的な位置づけです。こちらは、障害復旧時にはインスタンスの回復に専念できます。
どちらも便利に柔軟な高可用性を実現できる機能が追加されましたので、SQL Server 2012で高可用性を検討する場合は、ぜひ新しい機能であるAlwaysOn可用性グループとAlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスの使用をお勧めします。