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進化したSQL Server 2012の新機能紹介

柔軟で確実な高可用性を実現するSQL Server 2012の「AlwaysOn」機能

進化したSQL Server 2012の新機能紹介(2)

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AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンス

 AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスは、SQL Serverフェールオーバー機能の上位機能にあたり、細かい部分で利用しやすいように改善されています。AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスは、従来のフェールオーバーと同様に共有ストレージを利用した可用性を向上させる機能です。

図10 従来のフェールオーバークラスタインスタンスとの比較図
図10 従来のフェールオーバークラスタインスタンスとの比較図
(1)マルチサブネットクラスタリングが可能に

 フェールオーバーでは、同じサブネットに所属している必要がありましたが、AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスでは複数サブネットでのフェールオーバークラスタリングに対応しました。これにより遠隔地への災害対策目的で利用できるようになりました。

(2)共有ストレージ以外の配置が可能に

 フェールオーバーでは、tempdbは共有ストレージ上にしか配置できませんでした。しかし、AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスではのローカルディスクに配置できるようになりました。tempdbの配置場所にSSDを使用することで性能向上させることができます。

 フェールオーバーでは専用の共有ストレージが必要で、高価な機器が必要でした。AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスでは、共有ネットワークリソースを指定できるようになり、安価な環境で実現できるようになりました。

まとめ

 AlwaysOn可用性グループという特徴的で便利な機能が追加されました。反面、障害発生しフェールオーバーした後、障害が発生しているサーバーを復旧させるには、復旧時にデータベースの復元が必要になるため、フルバックアップやトランザクションログバックアップなどSQL Serverについて見識のある担当者が必要になります。

 一方、AlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスは、従来のフェールオーバー機能の拡張的な位置づけです。こちらは、障害復旧時にはインスタンスの回復に専念できます。

 どちらも便利に柔軟な高可用性を実現できる機能が追加されましたので、SQL Server 2012で高可用性を検討する場合は、ぜひ新しい機能であるAlwaysOn可用性グループとAlwaysOnフェールオーバークラスタインスタンスの使用をお勧めします。

参照ドキュメント

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 大和屋 貴仁(ヤマトヤ タカヒト )

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

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