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実例で学ぶASP.NET Webフォーム業務アプリケーション開発のポイント

ASP.NET Webフォームアプリケーションでの状態管理の使い分け

実例で学ぶASP.NET Webフォーム業務アプリケーション開発のポイント 第4回

多重送信防止処理の実行結果

 組み込んだ多重送信防止処理の実行結果を見てみましょう。

 実行前は次のように場所が登録されていないとします。

図7:実行前
図7:実行前

[1]多重送信防止なし

 まず、今回の多重送信防止を組み込む前の結果を見てみましょう。

 1度目の追加処理が終わる前にもう一度追加ボタンをクリックした場合、2回追加処理が行われてしまいます。今回は同じ名前による重複チェックなどを行っていないため、同じ場所が2つ登録されてしまいました。

図8:多重送信防止なし
図8:多重送信防止なし

[2]多重送信防止あり

 多重送信防止を組み込んだ後に同じように実行した場合、次のようにエラーメッセージが表示されます。

図9:多重送信防止あり
図9:多重送信防止あり

 この状態ではこの後何度追加ボタンを押しても、追加処理は行われず、同じエラーメッセージが表示されます。

 場所検索画面に戻ると2度目の追加処理がキャンセルされたことが確認できます。

図10:追加処理キャンセルの確認
図10:追加処理キャンセルの確認

 なお、多重送信防止の動作はリスト3の「新たなトークンの発行」の後に、以下のようにスリープ処理を入れると簡単に確認できます。

リスト4 テスト用のスリープ処理
// トークンが一致するか判定
if (vsToken == sToken)
{
  // 一致
  // 新たなトークンの発行
  var newToken = GenerateToken();
  Session["LocationsAdd_Token"] = newToken;
  ViewState["LocationsAdd_Token"] = newToken;

  // テスト用スリープ処理
  System.Threading.Thread.Sleep(3000);
}

まとめ

 ASP.NET Webフォームアプリケーションでの状態管理方法のポイントは、以下のとおりです。

  • ASP.NET Webフォームアプリケーションには、有効期間と保持範囲が違う状態管理法が用意されているので、ケースに応じて適切に使い分ける。
  • 複数ページにまたがる状態をはじめ、状態は基本的にSessionに保存する。
    • Sessionはサーバーのリソースを消費するので、あまりに大きなデータは保存せず、不要になったらすぐにクリアする。
    • Sessionのセッション状態モードの「インプロセス」は運用環境では使用せず、ステートサービスかデータベースを使用する。
  • ViewStateは基本的にはサーバーコントロールによって自動的に設定される値がほとんどであり、明示的に使うケースはそれほど多くない。
    • EnableViewStateプロパティ、ViewStateModeプロパティを活用し、ViewStateが不要なコントロールではViewStateを無効にする。
    • ViewStateはhidden項目を使ってクライアントサイドとやり取りされるため、大きなデータや機密性の高いデータは保存しない。
  • ViewStateとSessionを組み合わせることで、ワンタイムトークンを用いた多重送信防止といった処理も、比較的簡単に実装できる。

 さて、次回はデータを更新する際のトランザクション制御と排他処理について紹介する予定です。次回もお楽しみに。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるLaravel実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 高野 将(タカノ ショウ)

<個人紹介>新潟県長岡市在住の在宅リモートワークプログラマー。家事や育児、仕事の合間に長岡IT開発者勉強会(NDS)、Niigata.NET、TDDBCなどのコミュニティに関わったり、Web記事や書籍などの執筆を行ったりしている。著書に『アプリを作ろう! Visual C#入門 Visual C# 2017対応』(日経BP社、2017)など。< WINGSプロジェクト について>有限会社 WINGSプロジェクト が運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。 2026年時点での 登録メンバ は約50名で、現在も執筆メンバを 募集中 。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。 著書 記事 多数。 RSS X: @WingsPro_info (公式)、 @WingsPro_info/wings (メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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