今夏に導入したWindows Azure Webサイトの機能がいくつか大幅に改善されたことを喜んでご報告させて頂きます。
今回の改善には、安価な共有モードスケールの新オプション、CNAMEおよびAレコードを使用したSHAREDおよびRESERVEDモードのWebサイト(今後ネイキッドドメインを有効化)、CodePlexおよびGitHubを使用した継続デプロイメントサポート、FastCGIの拡張などがあります。これらはすべて本番環境にあるので、今すぐ利用可能です。
新 『SHARED』スケール層
Windows Azureでは、10個のWebサイトを、無償、共有/マルチテナントホスティング環境で、デプロイおよびホストできます。無償の共有モードを使用してWebサイトの開発およびテストを開始してみてください。165MB/日(5GB/月)のコンテンツまで利用できるWebサイトが実行できます。6月に、この無償層に導入したすべての機能は今回の更新でも変わらず機能しています。
今回のリリースから、安価な『SHARED』新オプション(今回導入)および『RESERVEDインスタンス』オプション(6月導入)を使用してこの機能を超えたWebサイトのスケールアップを弾力的に行えます。これらのモードへスケールするのは簡単です。Windows Azureポータル内にあるWebサイトの『SCALE』タブをクリックして、使用したいスケールオプションを選択して、『SAVE』ボタンをクリックするだけです。変更は数秒で適用され、コード変更も再デプロイも必要ありません。
以下は、新しい『SHARED』オプションまたは既存の『RESERVED』オプションの詳細です。
SHAREDモード
今回のリリースで、Windows Azure Webサイトに、新しい安価な『SHARED』スケールモードを導入します。SHAREDモードで実行されているWebサイトは、共有/マルチテナントホスティング環境にデプロイされます。無償層とは違い、SHAREDモードのWebサイトには、帯域への引当/上限はありません。帯域は、共有Webサイトに対する最初の5GB/月が無料で、5GB以上のアウトバウンド帯域には、標準の『従量課金制』Windows Azureアウトバウンド帯域料金が発生します。
SHAREDモードで実行されているWebサイトも、CNAMEやAレコードを使用して、複数の独自のDNSドメイン名にマップできるようになりました。今回のリリースで導入されたAレコードに対するサポートにより、『ネイキッドドメイン』が可能になりました(例えば、http://www.microsoft.comに対して、http://microsoft.com)。今後、SHAREDモードWebサイトのビルトイン機能としてSNIベースのSSLをサポート予定です(この機能は今回のリリースではサポートされていませんが、今後SHAREDおよびRESERVED層に対して適用されます)。
SHAREDモードWebサイトにも、Windows Azureで他の機能に適用している標準の『従量課金制』モデルに応じて料金が発生します(つまり先払料金はなく、機能に対する利用時間に対して料金が発生)。SHAREDモードで実行しているWebサイトの料金は、プレビュー期間中は1時間当たり約1円(平均約740円/月)になります。
RESERVEDインスタンスモード
SHAREDモードの実行以外に、RESERVEDインスタンスモードで実行しているものに対してもスケールをサポートしています。RESERVEDインスタンスモードで実行すると、必ず、独自の大、中、小サイズのVMに隔離して実行されます(つまり、他の利用者はいません)。VMでは任意の数だけWebサイトが実行でき、CPUの割り当てやメモリの上限もありません。
単一のRESERVEDインスタンスのVMを使用して実行することも、スケールアップして複数のインスタンスを持つこともできます(例えば2つの中サイズのVMなど)。スケールの変更は簡単で、Windows Azureポータルの『SCALE』タブにある『RESERVED』インスタンスVMを選択し、VMのサイズとインスタンスの数を選んで、SAVEをクリックするだけです。数秒で有効になります。
SHAREDモードと違い、RESERVEDモードで実行しているときは、サイトに対する料金は発生しません。その代わり、使用しているRESERVEDインスタンスVMに対して料金が発生するため、必要数のWebサイトを追加料金なく実行できます(つまり、RESERVEDインスタンスVM内にサイトが1個でも100個でも同じ料金で実行できます)。RESERVEDインスタンスVMは、小サイズのRESERVED VMで、約6.3円/時になります。
弾力的なスケールのアップ・ダウン
Windows Azure Webサイトでは、数秒で容量のスケールを増減できます。これにより、まずSHAREDモードオプションを使用してサイトをデプロイし、その後、必要に応じてRESERVEDモードオプションにスケールアップできます。コード変更やアプリケーションの再デプロイは必要ありません。
サイトのトラフィックが減少した場合、RESERVEDインスタンスの数を減少させたり、SHAREDモードへスケールダウンできます。すべて数秒で完了し、コード変更や、再デプロイ、DNSマッピングの調整など、何も必要ありません。Windows Azureポータルで『DASHBOARD』ビューも利用できるので、簡単にリアルタイムにサイトのロードをモニターできます(リクエスト/秒や帯域だけでなく、CPUやメモリーの使用量などの状態も表示されます)。
Windows Azureの『従量課金制』価格モデルの場合、1時間で通信した容量に対して課金されます。
もし1か月の大半がSHAREDモード(約1円/時)で実行していて、週末は非常にトラフィックが増加するため、占有VM(約6.3円/時)で実行させるためRESERVEDモードにスケールアップすることにした場合、RESERVEDモードで実行した時間分の追加料金が発生するだけです。これを有効にするために先払料金は発生しません。SHAREDモードに戻った際に、約1円/時のレートに戻ります。このため、非常に柔軟で費用対効果の高いものになります。