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ようやく姿が見えてきた
「Adobe Creative Cloud」のホントの価値

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既存のCS製品にも新機能が次々登場

 Edge Reflowを始め、Edgeファミリーは「小さな仕事をきちんとこなす」という種類のツールだ。それに比べて、従来のCS製品は「多機能でより広範に使える汎用的なツール」と言えるだろう。例えば、Dreamweaverさえ使えこなせれば、Webサイト構築の最初から最後まで一通りできる開発者になれる。

 このような大型の製品には、「どんな案件にも使えるんだろう?」程度の期待はごく当たり前についてまわるし、最新技術への対応は半ば義務付けられている。ということで、アップデートが価値を生むならCreative Cloudとの相性は良さそうだ。

 実際にCS製品の更新状況を見てみると、PhotoshopにCSS書き出しの機能が追加されたり、DreamweaverのHTML5フォーム対応や可変グリッドの機能が拡張されたりと、Creative Cloud限定のバージョンアップがすでに数回行われている(Creative Cloud公開からまだ9ヶ月あまりなのは前述のとおり)。

 追加された新機能は、最新のブラウザやスマホ・タブレットなどに対応する際に必要とされる機能が多い。今時のWeb系の技術に関わっている者なら、新しい技術が要求される案件に関わる可能性は少なくないだろうけれど、そんなとき、Creative Cloudに登録しているユーザだけが受けられる恩恵が増えているのだ。

 これは、昔ながらのパッケージを購入している人には、ちょっと不公平に感じられる点かもしれない。だが、ソフトウェアベンダーにとって(そしておそらくすべての売り手にとって)、物流は一方で必要な物でありながら、金額面からも工数面からもコストとなる。店頭に並べるためにいったん流通させた製品をバージョンアップしようと思ったら、いったん全部回収するにせよ、無償アップグレード期間を設定して別途配布するにせよ、アップデートの際には費用も工数もかかる。それを「頻繁」に繰り返すために開発費が削られたりするのなら、それは本末転倒というものだ。

 だとすると、Creative Cloud限定の更新は今後も継続されるだろうし、更新による付加価値が生まれる限り、アドビの製品戦略はCreative Cloudへの依存度を高めていくだろう。そして、それは新機能を指向するユーザには、むしろ望ましい方向ではないかと思う。

公開から9か月の間に、頻繁に機能が強化される「Adobe Creative Cloud」
公開から9か月の間に、頻繁に機能が強化される「Adobe Creative Cloud」

Creative Cloudを選ぶということ

 さて、そもそもの話は、パッケージ買いとサブスクリプションのどちらがお得かという話だった。結論としては、ソフトウェアの進歩を信じられるか次第だと思っている。

 今だとHTML5という技術が高い関心を集めていて、考えてみれば別にHTML5のない時代だって特に大きな不便があった訳ではないような気もするし、でもそれはまだHTML5の可能性を全部見ていないだけなのかもしれない。とりたててHTML5を奉る理由があるかというとはなはだ怪しい気もしているが、結局は、今ココに留まるか、この先を開く力に加わるかという問いに戻ってくる。

 もし、新しい物を作る側に関与したいと感じるなら、アドビ渾身のCreative Cloudを躊躇なく選択しよう。信じて使う人が増えることで、Creative Cloudはさらに進化する。共に次の一歩を考える良き道具の一つとして長い付き合いが期待できる。

 もちろんお金は大事なのでオススメを書いておくと、「とりあえずツールを評価したい」「プロジェクト期間中だけ一時的に使用したい」「WindowsとMacの両方の環境で使いたい」「2年以内にバージョンアップする可能性が高い」という人には特にCreative Cloudをお勧めする。データの共有や電子出版などの各種サービスも付随して利用することができる。

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この記事の著者

上条 晃宏(カミジョウ アキヒロ)

アドビにてFlashプラットフォーム上のユーザー体験やアーキテクチャデザインのコンサルティングを担当、数多くのFlash/Flexプロジェクトに携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/7005 2013/03/04 17:35

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