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5分でわかるActiveReports帳票

5分でわかるActiveReports帳票(2013年度版)-グループ化、集計処理、レイアウト

ActiveReports for .NET 7.0Jで作るサンプル帳票(3)

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 本連載では帳票作成コンポーネント「ActiveReports for .NET 7.0J」を使って帳票アプリケーションを作成していきます。今回は、グループ化、集計処理、レイアウトに関する設定を解説します。

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備考

 本稿は、連載『5分でわかるActiveReports帳票(2007年度版)』(渡辺俊史・宮本奈紗 著)の増補改訂版です。

対象読者

  • Visual Basic.NETまたはVisual C#を使ってプログラムを作ったことのある方
  • 帳票作成ツールに興味のある方

必要な環境

  • Visual Studio 2008 SP1/2010/2012のいずれかでプログラムが作れる環境
    (Express EditionではActiveReportsをインストールできません)

 本記事のサンプルコードは、C#/Visual Basic 2012で記述しています。

グループ化・集計

 ActiveReportsが提供する集計機能を利用すると、データソースやSQLの構造を複雑にすることなくデータの総合計やグループごとの小計、ページ数といった集計データを簡単に表示させることができます。ここでは、そうしたデータを集計して表示する帳票を作成します。

グループ化したレポート

 今回作成する帳票は、お店の注文伝票を注文日付・注文番号ごとに、一覧化・集計した「注文表」です。

注文表のデザイン画面
注文表のデザイン画面

 データベースは前回と同じく、ActiveReports 7.0J付属のNwind.mdbを使用し、注文伝票(Orders)、注文伝票明細(Order Details)、商品(Products)の3テーブルにアクセスします。

帳票に出力する注文データを取り出すSQL
SELECT  Orders.OrderDate,
        Orders.OrderID,
        Products.ProductID,
        Products.ProductName,
        Round([Order Details].UnitPrice, 0) As UnitPrice, 
        [Order Details].Quantity,
        [Order Details].Discount,
        Round(Round([Order Details].UnitPrice,0)
                    * [Quantity] * (1 - [Discount]), 0) AS Price
  FROM  Orders
        INNER JOIN (Products INNER JOIN [Order Details] 
                    ON Products.ProductID = [Order Details].ProductID) 
        ON Orders.OrderID = [Order Details].OrderID
 ORDER BY Orders.OrderDate, Orders.OrderID,Products.ProductID ;

グループ

 帳票では、同じデータが続く行のまとまりを「グループ」として扱います。グループの中にさらにグループを入れ子にすることもできます。

 データテーブルに「フィールド1」と「フィールド2」が定義されているとします。外側のグループが「フィールド1」をもとにグループ化されるように設定した場合、下図「データのグループ化」のデータソース図の左側の赤字のようにグループ分けがされます。一方、内側のグループが「フィールド2」をもとにグループ化されるように設定した場合、データソース図の右側の青じのようにグループ分けがされます。「フィールド2」の20や30のように同じ値が並んでいても、外側のグループが別のグループになれば内側のグループも別のグループになることに注意してください。

データのグループ化
データのグループ化

 セクションレポートでは、デザイナ画面上で「グループヘッダ/フッタ」のセクションを追加することによってグループを配置します。グループヘッダセクションはグループの最初に表示され、グループフッタセクションはグループの最後に表示されることになります(表示させないことも可能です)。

 グループヘッダセクションのDataFieldプロパティにフィールド名を設定することで、グループ化の基準となるフィールドを指定します。

グループヘッダ/フッタの追加
グループヘッダ/フッタの追加

 なお、グループ化が正しく働くためには、出力するデータをあらかじめグループ化したい順番に整列させておく必要があります。上記のSQL文では、ORDER BY句でデータを整列させています。

 今回は、「注文日付」「注文番号」ごとにグループ化を行うので、グループヘッダ/フッタを2重に追加し、外側のグループヘッダのDataFieldプロパティに「OrderDate(注文日付)」、内側のグループヘッダのDataFieldプロパティに「OrderID(注文番号)」を設定します。また、内側のグループヘッダのUnderlayNextプロパティをTrueに設定します。

コントロールの追加

 次に、ツールボックスからコントロールをドロップして、帳票レイアウトに貼り付けていきます。帳票タイトルなどの固定値表示や集計のないデータ項目表示はLabelコントロールとTextBoxコントロールのどちらを使用しても構いませんが、Labelコントロールは集計設定のためのSummaryプロパティを持たないため、集計値の表示欄にはTextBoxコントロールを使う必要があります。

 今回集計値を表示するのは、以下4か所です。

  1. PageHeader1右上のページ番号と総ページ数
  2. その下の価格総計表示
  3. GroupFooter2の「注文小計」
  4. GroupFooter1の「当日小計」
集計を表示する位置
集計を表示する位置

次のページ
集計処理

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この記事の著者

グレープシティ株式会社 ActiveReportsチーム(グレープシティカブシキガイシャ アクティブレポートチーム)

 宮城県仙台市に本社を構えるグレープシティでは、日本の業務に適したシステムをより早く開発するためのソフトウェアを提供しています。エンドユーザーの利用しやすさ、幅広いユーザー環境への対応、そして何よりプログラマの作業を軽減することを一番に目指しています。 ActiveReportsは、帳票開発に必要なあらゆる機能を備えた当社を代表するコンポーネントの1つ。1998年の発売以来、日本だけでなく全世界で多数の帳票開発者に使用されています。製品開発は同チームが中心になり、「日本仕様」の厳しい要望を実現することを目指しています。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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