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ラムダ式でステップアップ! C++のプログラムから汎用的なアルゴリズムを切り出し利用してみよう

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2014/09/25 14:00

目次

8. ラムダ式を使った汎用的なアルゴリズムの適用

 前節では、関数オブジェクトを作ることにより、Run関数内の環境を汎用アルゴリズムであるAppendIf関数とForEach関数に渡すことができました。

 しかし、関数オブジェクトを作るためには、一々クラスを用意する必要があります。面倒ですし、プログラムが複雑になります。

 ここまでしないと、汎用的なアルゴリズムを使えないのでしょうか?

ラムダ式

 そこでC++11から追加されたラムダ式です。簡潔な記述でクロージャーを実現することができます。

 C++のラムダ式については、次のページを参照してください。

書籍のリストの中から、タイトルか出版社名に "リ" を含むものをコンソールに表示(ラムダ式版)

 では、先のプログラムをラムダ式を使って書いてみましょう。関数オブジェクトと異なり、クラスを作る必要がない分ぐっとシンプルです。

Program.cpp
#include <iostream>
#include <list>
#include <vector>
#include <string>
using namespace std;

#include "Book.h"
#include "Publisher.h"
#include "MyCollection.h"
using namespace MyCollection;

class Program
{
public:
    void Run()
    {
        const vector<Publisher> publisherList = {
            Publisher(L"技術評論社"          ),
            Publisher(L"翔泳社"              ),
            Publisher(L"オライリー・ジャパン"),
            Publisher(L"SBクリエイティブ"    )
        };

        const list<Book> bookList = {
            Book(L"4774157155", L"C++ ポケットリファレンス"        , 0),
            Book(L"4798108936", L"C++ の絵本"                      , 1),
            Book(L"4798119768", L"独習 C++ 第4版"                  , 1),
            Book(L"4873110637", L"C++ プログラミング入門"          , 2),
            Book(L"4797376686", L"C++ テンプレートテクニック 第2版", 3)
        };

        const wstring searchWord = L"リ";
        list<Book>    filteredBookList;

        AppendIf(
            bookList,
            filteredBookList,
            // ラムダ式 (searchWord を値でキャプチャ、publisherList を参照でキャプチャ)
            // -> の前の const Book& book が入力で後が bool 型の出力
            [searchWord, &publisherList](const Book& book) -> bool {
                return book.GetTitle().find(searchWord) != wstring::npos ||
                       publisherList[book.GetPublisherIndex()].GetName()
                                      .find(searchWord) != wstring::npos;
            }
        );
        ForEach(
            filteredBookList,
            // ラムダ式 (publisherList を参照でキャプチャ)
            // -> の前の const Book& book が入力で後が実行内容
            [&publisherList](const Book& book) -> void {
                wcout << L"コード: "     << book.GetCode ()
                      << L", タイトル: " << book.GetTitle()
                      << L", 出版社: "
                      << publisherList[book.GetPublisherIndex()].GetName()
                      << endl;
            }
        );
    }
};

int main()
{
    wcout.imbue(locale("Japanese", locale::ctype));
    Program().Run();
    return 0;
}

 実行結果は、元々のプログラムと同じです。

実行結果
コード: 4774157155, タイトル: C++ ポケットリファレンス, 出版社: 技術評論社
コード: 4873110637, タイトル: C++ プログラミング入門, 出版社: オライリー・ジャパン
コード: 4797376686, タイトル: C++ テンプレートテクニック 第2版, 出版社: SBクリエイティブ

 ラムダ式を使うことで、余計な記述(本来のプログラムのロジックでない部分)が減り、簡潔な記述となりました。

9. まとめ

 C++における汎用的なアルゴリズムの分離について考察しました。

 汎用的なアルゴリズムがどのように分離されると良いか、そして分離されたアルゴリズムがどのように使われると良いか、を述べました。

 今回は汎用的なアルゴリズムを自作しましたが、このようなアルゴリズムはC++のライブラリの中に既にたくさん存在し、同様に使うことができます。

 例えば、次のページでは<algorithm>ヘッダーなどに含まれるアルゴリズムが紹介されています。

 ラムダ式を活用すれば、簡潔な記述で、これらの既存のアルゴリズムを使うことができます。

 C++で汎用的なアルゴリズムを利用したり書いたりするために、ここで述べたことが参考になれば幸いです。

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修正履歴

  • 2014/10/14 16:20 姉妹記事「ラムダ式でステップアップ! C#のプログラムから汎用的なアルゴリズムを切り出すことで、LINQについての理解を深めよう」の紹介を第一節に挿入しました。

  • 2014/09/18 16:20 第8章のソースコード中の「// Sample.cpp」という不要な行を削除。

著者プロフィール

  • 小島 富治雄(フジヲ)

    Microsoft MVP for C# (2005.07~)。 - 注目の MVP - Blog: プログラミング C# - 翔ソフトウェア (Sho's) - Web Site: 翔ソフトウェア (Sho's) - Twitter: Fujiwo...

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