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いまさら聞けないクラウドのアレコレ

いまさら聞けないクラウドのアレコレ(5)
~本当のSLAを理解する~

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クラウドのサービス停止時間を考える

 無視できない事実として、プライベートクラウド、パブリッククラウド、サーバー仮想化、データセンターの利用など、コンピューティング資源の利用という選択肢はさまざまありますが、根底には「システム老朽化や故障・入れ替え・更新」を誰かが行わなければならないということが上げられます。では、観点を変えて現在私たちを取り巻くコンピューティング資源でどれだけサービス停止(障害)が発生しているのか、その頻度を見ていきましょう。

 図4は、CloudHarmony社が公開するデータから、コンピューティングサービスにおける障害時間の比較(2015年4月時点)を抽出したものです。一度に起こり得るサービス停止の頻度には「サービス復旧までにかかる時間」もじつは隠されています。図示された内容をみると、およそ数分単位がこのサービスの復旧にかかるまでの平均的なサイクルのようです。

図4. コンピューティングサービスにおける障害時間の比較(2015年4月時点)
図4. コンピューティングサービスにおける障害時間の比較(2015年4月時点)

 では、さらに観点を変えて「コンピューティング資源はどれだけサービス停止せずに安定しているのか?」も疑問になるかと思います。こちらもCloudHarmony社が公開するデータから全世界におけるコンピューティングサービスの年間無停止時間(2015年4月時点)をサービス無停止順に見ていきましょう(図5)。

図5. 全世界におけるコンピューティングサービスの年間無停止時間(2015年4月時点)
図5. 全世界におけるコンピューティングサービスの年間無停止時間(2015年4月時点)

 こちらのデータはCloudHarmony社のモニタリング対象のサービス可用性を評価したものなので、当然不幸にもサービス停止となった仮想マシン・インスタンスは存在するかと思いますし、定期メンテナンスなどの時間は除外されている場合などもあるかと思います。いずれにしても、この数字はあくまで指標値として理解するのが良いでしょう。なぜならコンピュータとは「壊れる」し「止まる」ものなのですから。

 同様に全世界におけるストレージサービスの年間無停止時間(2015年4月時点)も見ていきましょう(図6)。

 昨今のオブジェクトストレージに代表されるサービスは、そのシステムの高可用性を高いレベルで維持しています。そのため、年間でのサービス停止時間を見ても、やはり高いレベルで推移していることが伺えます。

図6. 全世界におけるストレージサービスの年間無停止時間(2015年4月時点)
図6. 全世界におけるストレージサービスの年間無停止時間(2015年4月時点)

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サービス無停止とはなにか?

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

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https://codezine.jp/article/detail/8651 2015/06/15 14:00

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