クラウドのサービス停止時間を考える
無視できない事実として、プライベートクラウド、パブリッククラウド、サーバー仮想化、データセンターの利用など、コンピューティング資源の利用という選択肢はさまざまありますが、根底には「システム老朽化や故障・入れ替え・更新」を誰かが行わなければならないということが上げられます。では、観点を変えて現在私たちを取り巻くコンピューティング資源でどれだけサービス停止(障害)が発生しているのか、その頻度を見ていきましょう。
図4は、CloudHarmony社が公開するデータから、コンピューティングサービスにおける障害時間の比較(2015年4月時点)を抽出したものです。一度に起こり得るサービス停止の頻度には「サービス復旧までにかかる時間」もじつは隠されています。図示された内容をみると、およそ数分単位がこのサービスの復旧にかかるまでの平均的なサイクルのようです。
では、さらに観点を変えて「コンピューティング資源はどれだけサービス停止せずに安定しているのか?」も疑問になるかと思います。こちらもCloudHarmony社が公開するデータから全世界におけるコンピューティングサービスの年間無停止時間(2015年4月時点)をサービス無停止順に見ていきましょう(図5)。
こちらのデータはCloudHarmony社のモニタリング対象のサービス可用性を評価したものなので、当然不幸にもサービス停止となった仮想マシン・インスタンスは存在するかと思いますし、定期メンテナンスなどの時間は除外されている場合などもあるかと思います。いずれにしても、この数字はあくまで指標値として理解するのが良いでしょう。なぜならコンピュータとは「壊れる」し「止まる」ものなのですから。
同様に全世界におけるストレージサービスの年間無停止時間(2015年4月時点)も見ていきましょう(図6)。
昨今のオブジェクトストレージに代表されるサービスは、そのシステムの高可用性を高いレベルで維持しています。そのため、年間でのサービス停止時間を見ても、やはり高いレベルで推移していることが伺えます。