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IBM Bluemix User Group(BMXUG)リレー寄稿

ブロックチェーンアプリを実際に動かしてみよう!

IBM Bluemix User Group(BMXUG)リレー寄稿 第6回


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4. Blockchainの4つの技術要素

Fig 6. Blockchainの4つの技術要素
Fig 6. Blockchainの4つの技術要素

4.1. Distributed Ledger

各Peerの構成
  • Validating Leader:検証リーダー。以下の検証ピアの権限に加え、トランザクションの書き込みを行う
  • Validating Peer:検証ピア。合意形成アルゴリズムを実行する
  • Non Validating Peer:非検証ピア。通常ノード。アプリケーションへの接続のみ可能
Fig 7. Peerの構成
Fig 7. Peerの構成
Validating Peerの構成
  • 取引台帳
    • Blockchainそのもの
    • Transaction(Smart Contractの処理呼出)がログのように記録される
  • Chaincode
    • Transactionを契機に実行されるプログラム(Goで実装)
    • 同じChaincodeが全てのVPに配布され、SandBox(Dockerコンテナ)内で実行される
    • 目的ごとに複数のChaincodeが作成される
  • Key-Value Store(KVS)
    • Facebook社のRocksDBという高速書込が可能なKVS型DBを利用
    • Transactionを実行した結果得られる「最新の状態」を記録
      • Key:chaincode ID + cKey
      • Value:任意のデータ
    • 全てのVPで同一の内容を持ち、そのHash値がBlockchainに記録される
    • 変更を差分管理

4.2. Cryptography

4.2.1. 認証局(CA)、eCertとtCert

 認証局(CA)によりUserの身元を特定する証明書であるeCertや、Transactionごとの証明書tCertが発行される。

  • eCert(Enrollment Certificates)
    • Userの身元を特定する、長期的に使用される証明書
    • User、VP、NVPの全てに発行される
  • tCert(Transaction Certificates)
    • Transactionごとに発行される、短期的な証明書
    • eCertを持つUserに対して発行されるが、匿名化されており、認証局にしかその関連性は分からない
    • Transactionごとに異なるtCertを用いることで、複数のTransactionsが同一のUserに属することを隠蔽することが可能となる(IdentityとPrivacyの問題を解決)

4.3. Consensus

4.3.1. Consensus(合意形成)モデルの選択

Fig 8. Consensusモデルの例
Fig 8. Consensusモデルの例

4.4. Chaincode

4.4.1. Chaincodeの種別

  • 作成、登録など
  • 所有権移転、属性変更など
  • 問い合わせなど

4.4.2. Chaincodeの実行内容

  • 全てのValidating Peer(VP)に配布
  • VPはChaincodeをDockerコンテナ上に展開して実行
  • Hyperledgerにおいては「Transaction」=「Chaincode(Smart Contract)の実行」
  • 資産の最新状態はKVSに保存
  • 契約上の条件やルールをビジネスロジックとしてSmart Contract上に実装することにより、常に合意されたルールに基づいた処理が実行される

4.4.3. Chaincodeの処理

  • Deploy:ソースコードに基づき、Chaincodeを登録(台帳への書込を伴う)
  • Invoke:Chaincodeの実行、KVSへの読み書き(台帳への書込を伴う)
  • Query:Chaincodeに対しデータの問い合わせ、KVSからの読み込み(台帳への書込なし)

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5. デモ

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この記事の著者

新井 健三(Bluemix User Group)(アライ ケンゾウ)

これまで主に証券等の金融取引システムや基幹業務システムの構築プロジェクト等に携わって参りました。今後は有限責任監査法人トーマツにてStartup企業に向けたブロックチェーン技術のサポートや金融アドバイザリー業務なども行なっていく予定です。猫をこよなく愛しています。Twitter: @KenzoArai

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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