データサイエンティストに求められるスキル
現在林氏のチームでは、広告リクエスト、レコメンドエンジン、データマイニングなど分野ごとの担当エンジニアが6名ほど活動しているという。データサイエンスに関する知識や技術はOJTが基本となるそうだが、分析のアイデアや解析結果についてお互い議論をしあう場を大事にしていると安田氏はいう。このような議論は、解析の精度アップや改善につながるだけなく、チームの活性化にもつながるからだ。
なお安田氏は、同社のデータサイエンティストのスキルセットを考えるにあたり、米国のデータサイエンティスト、スティーブ・ゲリンジャー氏が提唱した「Machine Learning Skills Pyramid V1.0」を参考にしているという。
「Machine Learning Skills Pyramid V1.0」によると、機械学習のプロフェッショナルは3つのレイヤに分けることができる。まず大量の機械学習用のデータを処理するデータエンジニア。次に機械学習アルゴリズムを使いこなした開発ができるマシンラーニングエンジニア。その上に、機械学習そのもののベースとなるアルゴリズムを研究・開発するアルゴリズムデベロッパーだ。
安田氏によれば、同社のデータサイエンティストは、アルゴリズムデベロッパークラスを想定している。このクラスのエンジニアに求められるスキルは、分散コンピューティング、機械学習、応用統計の知識は必須だとする。
現場もわかるデータサイエンティストが求められている
データサイエンスのスキルに加えて、分析対象となる事業ドメインについての知識も最低限求められる。これは、モデリングにしろ機械学習にしろ言えることだが、データサイエンティストが、データを解析して意味のある情報・結果を得るには、広告やEC、メディアについてのビジネスやしくみ、市場に関する知識が必要だ。
もちろん、サービスサイトやサーバーに実際の機械学習アルゴリズムを実装するには、ソフトウェア開発、サーバー運用の知識が必要だ。林氏のチームのデータサイエンティストも、それ以前の経歴は、開発者、サーバーエンジニア、ネットワーク管理者とさまざまだ。
このように、自動運転やロボットだけでなく、アドテク、企業経営、IoTの分野でもエンジニアとデータサイエンティストの両方のスキルを持つ人材は、さまざまな業界で今後必要とされてくるだろう。
とくにアドテク業界には、そのような人材が不足しているそうで、エンジニアのキャリア、スキルのポートフォリオを広げる意味でも、データサイエンスの技術を持ったハイブリッドエンジニアが増えてくるかもしれない。
