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KubernetesによるスケーラブルなWebアプリ環境の構築

Google StackdriverでKubernetesのモニタリングに挑戦してみよう

KubernetesによるスケーラブルなWebアプリ環境の構築 第5回

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Stackdriver Monitoring Console Dashboadの使い方

 それでは実際にDashboardを使ってみましょう。まず、GKEでStackdriverを有効化する必要があります。

Stackdriverの有効化

 Kubernetes EngineへStackdriverを導入するのは簡単で、Kubernetes Engineの[編集]から、Stackdriver MonitoringとStackdriver Loggingを有効にするだけです。今回は既存のクラスタに対してStackdriverを有効化する手順を説明します。

 手順は以下の通りです。

  1. GCP Consoleから[Kubernetes Engine]のメニューにアクセス
  2. 編集したいクラスタの[編集](鉛筆のアイコン)をクリック
  3. Stackdriver Monitoringのプルダウンメニューから[有効]を選択する
  4. [保存]を押して設定を有効化する
Stackdriverを有効化
Stackdriverを有効化

Stackdriverアカウントを作成する

 Stackdriver Monitoringを使うためには、そのプロジェクトでホストされるStackdriverアカウントを作成する必要があります。そのため、以下の公式ガイドの「アカウントを管理する」に記載されている「Stackdriver アカウントを作成する」の手順を行いStackdriverアカウントを作成しましょう。

 この手順を最後まで行うと以下の画面が表示されるはずです。

Welcome to Stackdriver Monitoring!
Welcome to Stackdriver Monitoring!

 余談ですが、アカウントのProfile settingsからMonitoringページのテーマを変更することができます。テーマはライトかダークを選択することができき、筆者はダークが好きなのでダークに変更しています。

Profile settings
Profile settings

Dashboardにアクセス

 次にDashboardにアクセスしてGKEのコンテナの使用率の指標を可視化してみましょう。

 手順は以下の通りです。

  1. Stackdriver Monitoringのページの[Dashboard]をクリックして出てくるメニューから[Create Dashboard]をクリックしてDashboardを作成
  2. 作成したDashboardの画面に遷移したら[Add Chart]をクリック
  3. 下記のAdd Chart CPU Usageの図を参考に、Add Chartの「Resource Type」には「GKE Container」、「Metric Type」には「CPU Usage(使用率)」を指定。(注:Stackdriverのアカウントを作成した直後などは「Resource Type」に「GKE Container」が現れない場合があるようです。その場合は少し時間を置いてから試してください)
  4. [Save]を押してChartを保存
Add Chart CPU Usage
Add Chart CPU Usage

 以上の手順で新しく作成したDashboardに、追加したCPU Usage(使用率)のChartが下図のように表示されるはずです。

Dashboard
Dashboard

 この図では「GKE Container - CPU Usage」に、コンテナごとのCPU使用率が表示さています。Chartでは[Toggle Legend]のボタンを押すことで、コンテナのCPU使用率がリストで確認できるようになっており、リストに表示されているコンテナ名か描画されたグラフをクリックすることで、クリックしたコンテナにフォーカスしたグラフ表示に切り替えることができます。

ひとつのコンテナにフォーカスしたグラフ
ひとつのコンテナにフォーカスしたグラフ

 この図はglbcというコンテナのCPU使用率にフォーカスした表示したものです。ちなみにglbcはGCE Load-Balancer Controllerのことで、GKEのIngressのコントローラーになります。GKEではこのコントローラーを経由してGCPのLoad-Balancerを操作してIngressの機能を実現しています。より詳細を知りたい方は、公式のGitHubのレポジトリを参照してください。

Stackdriverのカスタム指標

 Stackdriverはカスタム指標の機能を使うことより、ユーザーが独自に指標を定義することができます。これによって、どのような指標でもカスタム指標として定義してしまえば、Stackdriverで収集できるようになります。カスタム指標はStackdriverの有料機能のため、その点は注意してください。

次のページ
カスタム指標でKubernetesの指標を収集する

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 吉海 将太(ヨシカイ ショウタ)

 株式会社カブクのサーバーサイドエンジニアです。APIの開発(Python,GO,AppEngine)とKubernetesによるインフラ環境の構築を担当しています。好きな獣はチベットスナギツネです。 Twitter: @yoshikai_ FacebookWINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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