さまざまな「事件」を通じ、Javaはオープンソース化されてきた
Javaの歩みは、決して順風満帆なことばかりだったわけではない。数々の「事件」を経験しながら、オープンソース化が進んできた。
例えば、Apache Harmony事件。Apache Harmonyとは、IBMなどが中心となりApache Licenseの(非コピーレフトな)JDKを各社が協力して作り上げるプロジェクトで、2006年10月にバージョン1.0がリリースされた。
ところがその翌月に、Sun MicrosystemsがJ2SEとJ2MEをオープンソースにしたものの、このライセンスがコピーレフトだったという事件が起きる。両者の方針が対立してしまい、Apache Software Foundationが抗議活動を行う結果となった。
「その後、2006年8月にはApache HarmonyがTCKを要求するもSun Microsystemsが拒否。2007年8月にはSun MicrosystemsがTCKの適用範囲をGPLv2にまで拡大するもApache Harmonyは適用対象外で、JCPでの抗議活動にまで発展しました」
その後も、Android事件やJava EE Guardians事件といった、ライセンスや 仕様策定プロセスに起因した数多くのトラブルをJavaは経験した。
詳細は割愛するが、これらの出来事すべてに共通しているのは「Javaのコミュニティがオープンソース化を望み、行動を起こしてきた」ということだ。そうした働きかけがあったからこそ、今のJavaがオープンなエコシステムを保つことができているのだ。
Make Java Great Again
鈴木氏はさらに「Javaのこれから」についても言及した。
「2018年3月にはJava SE 10が無事リリースされ、多くの便利な新機能が追加されました。また、Javaは2017年から成長のサイクルが加速し、メジャーバージョンアップのサイクルが6カ月ごとになったのです。これまでは2~3年に1回だったので、かなりペースが速くなりました」
また、Java EEの管理団体がOracleからEclipse Foundationに移行。これは、TCKも含めてすべてEclipse Foundationの管轄下になることを意味する。体制変更に伴い、名称もJava EEからJakarta EEに変更された。
最後に、鈴木氏はセッションを総括して「Make Java Great Again」という標語を掲げた。
「アメリカの大統領選挙の際に『Make America Great Again』のフレーズが流行しました。これはそれを模しています。2017年から2018年にかけて、Javaは新しいフェーズに進みました。今後も進化は加速していきます。誇張ではなく、本当に『Great Again』が実現できるのではないでしょうか。ぜひJavaの可能性に目を向けていただき、これからもJavaを利用していただければ幸いです」
