SORACOMならさまざまな接続選択肢がある
続いての話題は「Wireless Agnostic」(あらゆる無線を通して)。ソラコムではこれまで、新しく登場する無線テクノロジーに随時対応してきた。現在、SORACOM Airでは、セルラーのほか、LPWA(低消費電力で遠距離通信を実現する通信方式)のLoRaWANとSigfoxにも対応している。特に後者のLPWAにはいち早く注目し、対応してきたという。すでに活用事例も登場しており、大林組とパナソニックの共同プロジェクトでは、横浜市のスマートシティ、綱島SSTでの環境センシング実証実験にSORACOM Air LoRaWANを採用。「実証実験の内容がWebサイトで公開されているので、ぜひ、見てほしい」と玉川氏は話す。
ソラコムは2017年8月にKDDIグループに入った。以来、KDDIとソラコムは「IoTビジネスの創出」「IoTプラットフォーム」「グローバル展開」「次世代ネットワーク開発検討」の4分野で事業連携を進めている。
この4月にはKDDIの投資プログラムのひとつ「SORACOM IoT Fund Program」で、Resin.ioに出資することが決定した。Resin.ioはIoTデバイス上でユーザー・アプリケーションを実行するDockerコンテナを構築・管理するサービスを提供しているスタートアップである。
また、2018年5月からはSORACOMでもKDDI回線が使える「SORACOM Air for セルラー plan-K」を提供している。KDDI ソリューション事業本部 ソリューション事業企画本部長兼クラウドサービス企画部長の藤井彰人氏は、IoT通信の新規格への対応についても言及し、KDDIのセルラーLPWA通信サービスである「LTE-M(Cat.M1)」に対応した「SORACOM Air for セルラー plan-KM1」を紹介した。
SORACOM Air for セルラー plan-KM1はKDDIのLTE-M回線を採用、LTEに比べて省電力で広域をカバーする通信サービスで、もちろんSORACOMのサービスが利用可能だ。基本料金は100円/月、データ通信量は0.5円/KBと低コストで使うことができる。「このサービスを使ってどんな新しいサービスが創出されるのか楽しみにしている」と藤井氏は笑みを浮かべる。
KDDIとの連携はこれだけには終わらない。KDDIが進める「IoT世界基盤」構想へのソラコムの参画も決まった。「IoT世界基盤を拡充していきたい」と藤井氏は意気込みを語る。
「IoTというエッセンスを加えたお客さまのチャレンジをKDDIとしては全力でサポートしていきたい」(藤井氏)
ソラコムと連携している企業はKDDIだけではない。日本瓦斯もその1社である。同社 代表取締役の和田眞治氏は次世代エネルギープラットフォームにソラコムを活用、異業種連携による決済の一元化などを目指していくという。
「SORACOM Funnel」の提供など、さまざまなクラウドへも対応
話題は「Cloud Agnostic」(クラウドとの連携)へ。ソラコムでは無線テクノロジーだけではなく、さまざまなクラウドへの対応も進めている。
「SORACOM Funnel」というクラウドアダプターの提供はその代表例だ。「今やIoTシステムでクラウドは当たり前に使われている。しかし各クラウドには癖があり、複雑だ。そこを簡単にするのが、SORACOM Funnel。AmazonやGoogle、マイクロソフトなどさまざまなクラウドに対応している」と玉川氏。SPSパートナーが提供するSORACOM FunnelのPartner Hosted Adapterに、新しくテラデータのデータ分析プラットフォーム「IntelliCloud」向けのアダプターが追加された。「現在、8本提供している」と玉川氏は説明する。
さらにもうひとつ新しく発表されたのが、「Amazon Kinesis Video Streams」との連携である。
「これによりSORACOM経由で流されるビデオストリームの認証やフォーマット変換が可能になる」(玉川氏)
ここで玉川氏の古巣であり、現在も密な協力関係を築いているアマゾンウェブサービスジャパン 代表取締役社長の長崎忠雄氏が登壇。
長崎氏は「ソラコムとAWSには共通項がある。それは『顧客至上主義』をミッション・ビジョンに置いていることだ」と語る。同じ価値観を持っているので、良きパートナーになれるのだという。IoTデバイスは無限大に増えていくことが予想される。「そうなるとセキュリティや通信環境が悪いところでもつなぐことが課題になる」と長崎氏は指摘する。その課題を解消するひとつのソリューションとして、「SORACOM LTE-M Button powered by AWS」を披露した。
SORACOM LTE-M Button powered by AWSは「AWS IoT 1-Click」というアマゾンのサービスに対応した国内初、LTE-M接続のボタン型デバイスである。AWS Lambdaと連携、Lambda関数を利用して、独自のビジネスロジックの実行が可能になる。LTE-Mのセルラー接続のため、Wi-Fiがなくてもどこでもつながる。
