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イベントレポート

ソラコムが「SORACOM Conference “Discovery”」で新サービス・技術を発表――よりIoTを身近なものに

「SORACOM Conference “Discovery” 2018」キーノートレポート

Digitalizationを加速するソリューション

 今回のイベントのキーワードとして挙げているのが「Digitalization」。それを実現する技術と事例について、ソラコム 最高技術責任者の安川健太氏が紹介した。

株式会社ソラコム 最高技術責任者 安川健太氏
株式会社ソラコム 最高技術責任者 安川健太氏

 同社ではあらゆるモノが高度にネットワーク化され、連携し、世界をより良くしていくというビジョンを掲げて、研究開発を行っている。デバイスに直接埋め込める「チップ型SIM」の開発もそのひとつだ。これを活用することで、実際に身の回りのモノを高度にネットワーク化させている事例も登場している。

 例えばADX.NETはアメリカ、カナダ、東南アジアで展開するスマートウォッチにソラコムチップ型SIM搭載。これにより中国1カ所でテストを行い、各国同じ設定で出荷が可能になっている。

 またアイ・オー・データ機器では、IoT見守りサービス「otta」の見守りルータにSORACOMチップ型SIMを採用し、置くだけで安心できる見守りを実現している。同社開発のチップ型SIMは非常に小さく、堅牢なコネクティビティを提供する。「工場生産時に埋め込み、アクティブ化してテスト。出荷時はスタンバイ状態となり、流通経路にお金がかからないような仕組みを提供。そしてお客さまが利用する際に自動アクティブになる」と安川氏。

 このような高度にネットワーク化されたものが多数、企業で活用されるようになると、デバイスを統合して管理する仕組みが必要になる。それが昨年ローンチしたデバイス管理サービス「SORACOM Inventory」である。

 「Inventoryエージェントで、デバイスのメトリクスを取得したり、Webコンソールで状況を把握したり、コマンドを実行したりできる。また、APIを通じて制御もできるようになる」(安川氏)

 SORACOMが埋め込まれているデバイスからセルラー経由で鍵を取得して自動的にデバイスを登録する。

 「ブーストラップ後は、セルラーに限らず、Wi-Fiや優先でも利用可能になる」(安川氏)

 活用事例も紹介。CKDが提供する、ビニールハウスや畜舎の環境情報を元に温度管理や流体制御をするサービスはSORACOMを活用している。SORACOM Inventoryでバルブなどの自動制御を実施し、省力化を実現したという。

 SORACOM SIMがあればアクセス回線に依存することなく、どんなクラウドサービスにもデバイスをセキュアに接続できるのではないか。この課題に応えたサービスがセキュアプロビジョニング「SORACOM Krypton」である。

 「正しい鍵を持ったデバイスだけが秘密の情報に接続できるという意図を込めて名付けた」(安川氏)

 デバイスをクラウドサービスにつなぐ手順は次の通りだ。

  1. クラウドサービスにデバイスとユーザーを登録する
  2. 認証鍵と接続情報をもらう
  3. 認証鍵と接続情報をデバイスにセキュアにコピーし、デバイスからクラウドに認証・接続する

 「この作業を大量のデバイスに行うのは大変なこと。しかも工場で個別の鍵を個別のデバイスに間違いなく大量に埋め込まないといけない。その際、鍵の漏えいリスクもある上、工程の増加で納期やコストにも影響する。しかしSORACOM KryptonであればSIMで認証し、接続情報をセキュアにプロビジョニングできるため、クラウドサービスへのセキュアな接続を容易に確立できるようになる」と安川氏は説明する。

 認証には強化されたSORACOM Endorseを活用した次の2つの方法がある。ひとつはセルラー回線経由で専用エンドポイントに接続する方法。もうひとつはWi-Fi、有線を含む任意のアクセス回線上でSIM AKA認証する方法だ。

 利用例も紹介。例えば、AWSの接続では、デバイス初回起動時にAWS IoT Core にThingを自動登録するだけ。それでAWS IoT デバイス SDK を使ってセキュアに接続できるようになる。また、SORACOMのSIMカードが搭載された監視カメラであれば、SORACOM KryptonでSIM認証を行い、SORACOM KryptonがAmazon Congitoにログイン要求。認証が済めば、Wi-Fiなど最適な回線を選んでKinesis Video Streamにカメラの映像を送ることができる。SORACOM Kryptonの利用料金は1.8ドル/SIM。「初回プロビジョニングの利用月は、複数回であっても料金はかからない。翌月以降も継続してプロビジョニングAPIを使う場合は、0.4ドル/月・SIM。エッジヘビーな環境でも容易にSORACOMが利用できるようになる」(安川氏)

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

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