クラウド版でもっと加速する開発、得られるメリット
これまではオンプレミス版として提供され、メインフレームやオフコンなどのレガシーシステムを刷新する場面や、業務用パッケージを開発する際に重用されてきたMagic xpa。今年3月より、クラウド版の提供が開始されている。それが「Magic xpa on Fujitsu Cloud Service」だ。同ソリューションは富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service for OSS」上で稼働。クラウドサービスなので、サーバやDB、ミドルウェアのインスタンス構築や初期環境設定、運用/監視なども不要になる。
クラウド版「Magic xpa on Fujitsu Cloud Service」のメリットは、先に紹介したMagic xpaのメリット、一般的なクラウドサービスのメリットが享受できることに加え、スパイラル開発への対応がより柔軟にできるようになることだ。
「例えば私たちのユーザーである、お客さまの業務システムを受託して開発しているSIerであれば、プロトタイプの段階からお客さまに見てもらうことが簡単にできるようになります。また業務特化型のパッケージを開発している企業であれば、デモサイトをクラウドに展開することで動くプロトタイプをお客さまに見せることができる。それをカスタマイズしていけば、本当にお客さまが求めているものを作れるようになります。
アプリケーション開発にかかるコストの削減、品質の向上も期待できます。しかもクラウドであれば、そのまま開発環境を運用環境に持っていける。つまり業務システムのクラウド移行が容易になります」(渡辺氏)
なぜ、クラウド版の提供に踏み切ったのか。それは「昨年あたりから、これまで保守的だった中堅・中小企業においても、クラウドへの不安感が払拭されつつあったため」と渡辺氏は語る。またMagic xpaのパートナー企業の中でもクラウド版の要望が高まったことも後押しとなった。
だが、マジックソフトウェア・ジャパンがクラウドビジネスを開始するには、クラウドの構築・運用をするインフラエンジニア、24時間365日の監視体制が必要になる。そんなときに、参加したのが「Fujitsu Tech Talk」だったという。
「Fujitsu Tech Talk」に参加したから実現したサービス
「Fujitsu Tech Talk」は2017年5月に設立された、クラウドやAIなどのテクノロジーやビジネス活用について議論する開発者コミュニティ。富士通の技術者がクラウドやAIの最新情報を提供するだけではなく、参加してくれた開発者同士のコミュニケーションを活性化させ、新たな共創を実現する目的がある。現在167社、400名が参加している。
こうしたコミュニティを作ることは、富士通にも大きなメリットをもたらす。芝崎氏は「当社は大手パートナー様との連携でビジネスを進めることが多いが、クラウドやAIなどデジタルサービスを展開している企業は中堅・中小、スタートアップにも多い。当社にとって『Fujitsu Tech Talk』はそういった企業とのお付き合いを増やしていく場でもあります」と「Fujitsu Tech Talk」の位置付けを説明する。
「マジックソフトウェア・ジャパン様とMagic xpaのパートナー様は、中堅・中小企業へのアプローチを得意とするため、コラボレーションするべく声をかけました」(芝崎氏)
こういった経緯で誕生したのがMagic xpaのクラウド版「Magic xpa on Fujitsu Cloud Service」である。同サービスを活用する際の初期環境設定やインスタンス構築、運用/監視は、「Fujitsu Tech Talk」メンバーであるスリーハンズが担当している。
次バージョンではAngularの採用を予定
また、今年の後半にはMagic xpaの次バージョンがリリースされる予定となっている。渡辺氏は新バージョンについても「Fujitsu Tech Talk」が関わっていると話す。
「次のバージョンではWebアプリケーションフレームワークとしてAngularを採用しました。Magic xpaがAngularコードを生成し、SPA(Single Page Application)の超高速開発が可能になります。実は当社がAngular採用という新しい取り組みにチャレンジできたのは『Fujitsu Tech Talk』に参加していたからなんです。Fujitsu Tech TalkでAngularに詳しいメンバーと知り合い、そこと組むことで、新しいチャレンジが実現しました。このようなコラボレーションが実現できるのが『Fujitsu Tech Talk』に参加するメリットですね」(渡辺氏)
もちろん、同機能は「Magic xpa on Fujitsu Cloud Service」でも提供される予定となっている。
最後に芝崎氏は、「エンジニアの方々だけでなく、エンドユーザー企業の情報システム部門の方がハンズオンに参加して、『これくらい、素早く・簡単に業務システムを開発できるのであれば自分たちでも作ってみようか』という話も出てきたりしている。自社のビジネスですぐ使えるものを作るため、手軽にチャレンジできるのは大きなメリットだと思います」とユーザーの幅が拡大している旨を話した。
実際にMagic xpaを試してみたいという人は、マジックソフトウェア・ジャパンが毎月開催しているハンズオンセミナーをぜひ、受講してみてほしい。
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「Magic xpa on Fujitsu Cloud Service」についての最新情報は、以下のサイトを参考にしていただければと思います。