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【デブサミ2019】セッションレポート

「エバンジェリスト」「アドボケイト」は何をやっているのか? エンジニアのキャリアとして考える役割【デブサミ2019】

【14-E-6】開発者の第三のキャリアパス~エバンジェリスト/アドボケイトとは何者か?~

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 最近、エンジニアの新しいキャリアパスとして「エバンジェリスト」や「アドボケイト」といった職業がよく聞かれるようになりました。エンジニアリングとマーケティング知識が合わさった、スペシャリストやゼネラリストに次ぐ「第三の道」として注目を浴びています。「Developers Summit 2019」で行われた株式会社MOONGIFT 代表取締役 中津川篤司氏のセッションでは、エバンジェリストやアドボケイトに関するさまざまな情報をキャッチアップすることができました。本記事ではその模様をレポートします。

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株式会社MOONGIFT 代表取締役 中津川 篤司氏
株式会社MOONGIFT 代表取締役 中津川篤司氏

「製品に対する愛」が大事、エバンジェリスト/アドボケイトの役割とは

 「これまでのエンジニアのキャリアパスは大きく『スペシャリスト』と『ゼネラリスト』の2つに分類されます」と、中津川氏は切り出し、セッションをはじめました。前者は高い技術と専門性が求められる職種で数も少なく、日本においてはあまり求められない状況です。一方、後者はチームやプロジェクトの管理・評価、社内調整能力が必要な職種であり、技術から徐々に離れていってしまう形にはなりますが日本では求められやすい傾向にあります。

 組織構成員の労働に関する社会学の法則として有名な「ピーターの法則(能力主義の階層社会では人間は能力の極限まで出世し、有能な平社員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。結果として各階層が無能な人間で埋め尽くされる、というもの)」に照らし合わせると、いずれは出世の道・ポジションは限られていってしまいます。そんな状況で取るべき手段の1つとして「転職」が考えられますが、スペシャリスト、ゼネラリストいずれの場合でも年齢・需要・コネ・強みなどもろもろの条件がそろっていないと、すんなり上手くはいきません。

 そこで中津川氏が提唱するのが第三の選択肢、「エバンジェリスト」「アドボケイト」。簡単に要約すると「自社製品やサービスを社外の開発者に啓蒙する」職種です。エバンジェリストは人々の前に立って先導、主導をしていく"伝道師"のイメージ。アドボケイトは人々と同じ目線で彼らの課題を一緒に解決していく、とイメージすると分かりやすいでしょう(ただ両者に差異はなく、企業の方針等によって採用される肩書が分かれる形となるようです)。

日本の代表的なエバンジェリスト、アドボケイトの方々
日本の代表的なエバンジェリスト、アドボケイトの方々

 中津川氏の統計によると「エバンジェリストやアドボケイトになる人は、前職でエンジニアやマーケターだった人が多い」と言います。きっかけは転職や社内公募等が主ですが、変わったケースだと「製品を好きだと勝手に名乗っていたら会社に認めてもらった」といった経緯で就任した人もいるようです。

 エバンジェリストになるためには何が必要となるか、といった「素養」の部分について、中津川氏は以下4つのポイントを挙げました。

  1. 製品に対する愛
  2. 開発者とのコミュニケーション能力
  3. 技術に対する愛
  4. 技術力

 その中でも1つめの「製品に対する愛」が一番大事であるとして、重ねて「この製品が大好きだ、という気持ちがあるのならば是非エバンジェリストになってほしい」と強調しました。また必要なスキルについては、プログラミングなどエンジニアとしての知識の他に、マーケティングの知識を蓄えておくことで近づくことができると言います。

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この記事の著者

しんや(シンヤ)

2010年末~2013年前半位までの期間で興味のある勉強会に頻繁に参加。参加してきた勉強会のレポートブログとTogetterをひたすらまとめ続け、まとめ職人(自称/他称含む)として暫く過ごしておりました。色々な縁あってDevelopers Summit 2013では『公募レポーター』も務めました。2013年05月『出張ブロガー』を経て2013年08月にクラスメソッド株式会社へ転職。現在は業務(AWS及びその周辺技術を扱う)の...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/11486 2019/04/09 11:00

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