金融業界におけるSBIグループの役割
SBI FinTech Incubationが提供する「フィンテックプラットフォーム」は、地域金融機関がFinTechサービスを実現するためのプラットフォームである。だが、地域金融機関がFinTechサービスを導入する以前に、解決しなければならないさまざまな課題が山積みなのだという。
「多くの地域金融機関のシステムは当社のように疎結合になっていないので、システムがネックとなり、やりたいビジネスができないという課題があります。また実店舗ありきであるため、SBIのようにインターネットの中だけで完結することを想定したシステム・業務になっていません。店舗は守るべき一番のものとなっている。そういった中で非対面のインターネットサービスも強化していかねばならないにもかかわらず、そのノウハウがないことも課題です。ですが、SBIグループにはその知見がある。それらを他の金融機関に提供していくことで、地方創生や日本の将来に貢献していくことも私たちの役割だと思っています」(木村氏)
フィンテックプラットフォームは既に、5社がAPI公開基盤を活用、現在、6社が導入準備を進めているが、同プラットフォームは完成形というわけではない。今後も拡充が図られていく。
「API公開基盤を中心に認証や銀行が必要とするアプリケーションの提供など、横に拡げていことを検討しています。また今後は法人向けのサービス、例えば地方銀行の課題を解決するなど、SBIグループの知見を生かしたソリューションを提供していく予定です。同プラットフォームは、オープンイノベーションの中心的な基盤として活用してもらいたい。そのためのユースケースの提供、地域金融機関への啓蒙も行っていかねばなりません」(木村氏)
FinTechが金融業界を変えていく
FinTechを推進しているSBI FinTech Incubation。だが、決して銀行そのものを破壊したいわけではない。
「人口が減少するなか、オーバーバンキング(銀行が多すぎること)と言われていますが、金融庁から免許を受けている銀行にしかできない業務があるため、銀行はなくなるものではありません。一方、お金、決済に関する利便性は今後どんどん上がっていく。その中で銀行の役割は変わり、銀行のビジネスモデルも変わっていきます。その一端を担っているのがFinTechであり、当社はすごく面白い分野に身を置いていると自負しています。
ユーザーの行動変化に対応するため、銀行は多くの変革を必要としている時期にあります。新しい技術を取り入れる事で、銀行自体が新しい業態に変わる可能性も十分にあります。そのような環境の中、テクノロジーやSBIのグループ力を活用して支援していく醍醐味もあります。新しいカタチ、未来に向かってサポートできる。そんな経験、なかなかできないと思います」(木村氏)
新しい銀行のカタチが求められている時代においてさまざまなチャレンジができる環境にあるSBI FinTech Incubation。「フィンテックプラットフォーム」に関わるエンジニアは現在、どんな活躍を見せているのだろうか。
「銀行のデータ分析基盤を作るというのであれば、データ分析やAI分析のソリューションを活用して、サービスを開発しています。実はわたくしどもSBIグループでは、AIやデータ分析はもちろん、さまざまなテクノロジー企業に出資していて、それら企業の経営者やサービス開発者と直接、話ができる環境があります。このようなスピード感は、SBIグループだからこそ得られる醍醐味だと思います」(木村氏)
現在はプロジェクトのコーディネートを行うエンジニアが多いが、今後は、さらなる内製化を進めるべく、エンジニア採用を更に加速していくのだという。FinTech業界で活躍していくにはどのようなマインドがあればいいか、木村氏に伺った。
「APIはもちろん、スマートフォンアプリ、認証やセキュリティの仕組みの開発など、開発しなければならないものがまだまだたくさんあります。金融業界の知識は特に必要ありません。レガシーな業界を変えていくために、いろんなことに興味を持って携わっていく。技術や世の中に対して『なんでこうなっているんだろう』と思い、自ら調べていくような探究心のある方であれば、自分がどんどん成長していける環境です」(木村氏)
FinTechに関心があるのであれば、変化が激しいこれからがチャンス。SBIグループで金融業界を変えていく。そんな経験をしてみてはいかがだろう。
SBIホールディングスではエンジニアを募集しています
今回お話を伺った木村氏のSBI FinTech Incubationのほか、SBIホールディングスのさまざまな企業において、未来のFinTechサービスを開発していくメンバーを募集しています。ぜひ以下のサイトよりエントリーください。