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プロダクト開発の先進事例に学ぶ、キーパーソンインタビュー

スピード感のあるリリースと学習の繰り返しが「理想」への近道――「KARTE for App」でプレイドが掲げるプロダクト開発の思想

OSS化は開発者を含むユーザーの「安心感」「信頼感」に寄与する

――新バージョンでは「KARTE for App SDK」のOSS化もトピックですね。これまでSDKがどのように開発されてきたのか、今回なぜOSS化に踏み切ったのかについて聞かせてください。

古賀:「KARTE for App SDK」は、ユーザーがKARTEを活用するにあたって、自社で開発するアプリに組み込んで使っていただくものです。そのため、SDKに起因するトラブルは、ユーザーのビジネスに直接悪影響を与えてしまいます。SDKそのものに頻繁にパッチが当たるような状況では、アプリを通じたCX向上を目指すどころの話ではなくなってしまいますので、「安定性」を中心とした品質には特に配慮して開発を行ってきました。

 その上で、より多くのユーザーアプリにSDKを組み込んでもらい、KARTEの活用度を高めてもらうためには、「ユーザー体験」と「開発者体験(Developer Experience)」、双方の向上が必要だと考えました。SDKのOSS化は、その施策の一環でもあります。

 まず、ユーザーにとっては「KARTE for App」が安定していることに加えて、実装が容易なこと、さらにはドキュメントが整備されており、必要に応じてソースコードまで見られる環境になっていることが、導入の検討過程や導入後の「安心感」につながると考えました。同時に、開発者にとっても、コードが公開されていることで、SDK導入にあたってのアプリ全体への影響を評価しやすくなったり、何か問題があった場合の解決が容易になったりといった形での「信頼感」につながります。そうした環境になっていることが「KARTE for App」の導入、ひいてはユーザーにおける「KARTE」そのものの活用度の向上に寄与するだろうと思っています。

――OSS化を進めるにあたって、特に苦労された点はありますか。

古賀:「セキュリティ」と「ライセンス」については、いろいろと調べましたね。セキュリティについては、外部の専門家にも話を聞き、法制上問題にならない送受信データの範囲や要件について助言をもらっています。ライセンスについては社内にいる詳しいメンバーの知見を借りながら整理していきました。

――今後、外部の開発者を交えたコミュニティとして開発を行っていくという方向性はあるのでしょうか。

古賀:将来的にはやっていきたいと考えています。ただ、それに向けて超えなければならない壁があるのも事実です。KARTE for Appは、単体で動作するものではなく、KARTE本体と組み合わせて使うものです。そのため、KARTEそのものの仕様に対する十分な理解がなければ、本格的な開発は難しくなっているのが現状です。そのあたりのギャップをどう埋めていくか、現状で手を入れられる部分をどう扱っていくかといったことは今後の課題だと思っています。

プロダクトを通じて「簡単ではない課題」への答えを求め続けたい

――最後に、お2人からひと言ずつコメントをお願いします。

古賀:今回、「KARTE for App SDK」のOSS化を行いましたが、これはゴールではなく、われわれのプロダクトが、さらなる「安心感」や「信頼性」、そして社外のエンジニアとのコラボレーションによる新しい価値を得る可能性を手にしたという意味でのスタートラインだと思っています。この可能性を生かすも殺すも、今後のわれわれの運営次第です。プロダクト開発についてはもちろんですが、OSSコミュニティの醸成についても、並行して注力していきたいと思います。

棚橋:KARTEの正式サービス開始から5年、「KARTE for App」のリリースから2年を経て、ユーザーが自分たちのプロダクトを通じて顧客体験を高めてくれているという実感は増してきています。それと同時に、顧客をより深く理解するために足りない要素もまだまだ多いという認識が強くなっています。CXを高めるためには何が必要か、そして「データによって人の価値を最大化する」ためにはどうすればいいのかというのは、決して容易に正解が得られる課題ではありません。その答えに少しでも近づくために、これからも「目的指向」「学習指向」を忘れずに、プロダクトを作り続けたいと思っています。

――ありがとうございました。

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この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...

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柴田 克己(シバタ カツミ)

フリーのライター・編集者。1995年に「PC WEEK日本版」の編集記者としてIT業界入り。以後、インターネット情報誌、ゲーム誌、ビジネス誌、ZDNet Japan、CNET Japanといったウェブメディアなどの製作に携わり、現在に至る。現在、プログラミングは趣味レベルでたしなむ。最近書いているの...

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