プロジェクトの削除とインポート
さて、話をガラッと変えて、プロジェクトの削除を扱っておきましょう。
プロジェクトの削除は削除メニュー
パッケージエクスプローラー上にあるプロジェクトを削除する場合は、プロジェクトフォルダを右クリックして表示されたメニューから[削除]を選択するだけです(図18)。
これは、[編集]メニューから[削除]を選択しても同じです。すると、図19の確認ダイアログが表示されます。
この確認ダイアログで[OK]をクリックすると、プロジェクトが削除されます。
プロジェクトの削除は認識しなくなるだけ
ところで、図19のダイアログ中のチェックボックスが意味するところを説明するとともに、プロジェクトの削除の本当の姿を紹介します。
図20は、前項の手順でFirstJavaProjectプロジェクトが削除されたパッケージエクスプローラーと、ファイルシステム上でワークスペースフォルダ内を参照したウィンドウを一緒に並べた画像です。
この画像からわかるように、Eclipse上からプロジェクトを削除しても、その実体は削除されていません。あくまでEclipseが認識しなくなるだけです。
プロジェクトを、その実体から、つまり、ファイルシステム上でも削除する場合、図19の削除確認ダイアログ中の[ディスク上からプロジェクトコンテンツを削除]のチェックボックスにチェックを入れて[OK]をクリックします。
その際、チェックボックス横の注意書きにもあるように、ファイルシステム上からも削除されるので、元には戻りません。間違って作成したプロジェクトを、直後に削除する場合でもない限り、安全のためには、このチェックボックスにはチェックを入れず削除を行い、Eclipseがプロジェクトを認識しなくなってから、ファイルシステム上から手動で削除するという2ステップを踏んだほうがよいでしょう。
なお、Eclipse上から削除せずにいきなりファイルシステムからプロジェクトフォルダを削除した場合、パッケージエクスプローラー上では、プロジェクトは図21のような見え方となります。
このようなアイコンの場合は、該当プロジェクトがファイルシステムから削除や移動されていないかを確認してください。もし、不要なプロジェクトの場合は、この状態でEclipseから削除すれば問題ありません。
プロジェクトのインポート
Eclipseのプロジェクトは、ファイルシステム上から削除されていない限り、いつでもEclipseに読み込んで復活させることができます。[ファイル]メニューから[インポート]を選択します。すると、図22のインポートウィザードが表示されます。
この画面ではさまざまなインポートが可能です。ここでは[一般]フォルダを展開して表示された[既存のプロジェクトをワークスペースへ]を選択し、[次へ]をクリックします。すると、図23の画面が表示されます。
[ルートディレクトリの選択]欄にインポートしたいプロジェクトフォルダを選択すると、プロジェクト欄にインポートしたいプロジェクト名が表示されます。そのプロジェクトが選択されている(チェックされている)ことを確認して[完了]をクリックすると、インポートが完了し、プロジェクトエクスプローラー上にインポートしたプロジェクトが表示されるようになります。
もし、インポートしたいプロジェクトがzipファイルの場合は、[アーカイブファイルの選択]欄でzipファイルを選択します。ここで、図23のオプションの[ネストされたプロジェクトの検索]チェックボックスと[プロジェクトをワークスペースにコピー]チェックボックスについて補足しておきましょう。
ネストされたプロジェクトの検索
[ルートディレクトリの選択]において、上記の通りプロジェクトフォルダを選択するのではなく、ワークスペースのように複数のプロジェクトフォルダが格納された、より上位のフォルダを選択した場合、このチェックを入れることでフォルダ内の複数のプロジェクトをまとめてインポートできます。
プロジェクトをワークスペースにコピー
インポートするプロジェクトフォルダがワークスペース外に存在する場合、そのフォルダの内容物をまとめワークスペースにコピーし、それをプロジェクトとするかどうかのチェックボックスです。チェックを外した場合、インポートするプロジェクトはリンク形式として、ワークスペース外のフォルダを参照することになります。
もちろん、Eclipse上でプロジェクト内のファイル類を変更した場合、その実体となるワークスペース外に存在するファイル類が変更されてしまいます。チェックを入れた場合は、コピーしてきたワークスペース内のファイル類が変更され、インポート元のファイル類はそのままの状態で保持されます。
なお、そもそもワークスペース内に存在するプロジェクトをインポートするのならば、このチェックボックスは意味がありません。
Eclipseの挙動がおかしくなったら
最後に、Eclipseを利用していて挙動がおかしくなった場合の対処法を紹介しておきましょう。一般的にアプリケーションの挙動がおかしくなった場合、そのアプリケーションの再インストールを考えます。もちろん、Eclipseも例外ではありませんが、その前に一度試したほうがよいことがあります。それは、.metadataフォルダの削除です。
Eclipseのワークスペースフォルダ内には.metadataフォルダが存在しています。これは、ドットから始まる隠しフォルダなので、OSの設定で隠しファイルを非表示にしている場合は見えません。その場合は、設定を変更するか、コマンド操作で確認することになります(図24)。
この.metadataフォルダには、そのワークスペースに関する設定情報が格納されています。これらの設定情報が壊れたために、Eclipseの挙動がおかしくなることが多々あります。その場合は、.metadataフォルダを丸々削除の上、もう一度Eclipseを起動してください。多くの場合、正常な動作に戻ります。
ただし、設定情報が初期化されているだけでなく、パッケージエクスプローラー上からはプロジェクトも消えています。といってもこれは先述の通り、あくまでEclipseがプロジェクトを認識しなくなっただけで、ワークスペース内に実体が残っている限りは先の手法でいつでもインポートが行えて復活できます。
まとめ
今回は、Eclipseでの例外の確認方法から話を始めて、ブレークポイントを利用したデバッグ方法、ステップ実行を紹介しました。また、プロジェクトの削除とインポートについても紹介しました。次回は、Eclipseの便利なショートカットを紹介していきます。