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20年経ってもデファクトスタンダードIDEのEclipse入門

EclipseでAWSアプリを作成してみよう〜AWS Toolkit for Eclipseプラグイン

20年経ってもデファクトスタンダードIDEのEclipse入門 第10回

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 本連載ではIDEのひとつであるEclipseを紹介していきます。Eclipseが世に出てから20年以上は経過していますが、いまだにデファクトスタンダードという不動の地位にいます。歴史もあり、さまざまな開発者に利用されているわりには、Eclipseの入門にあたるようなまとまった情報源は意外と少ないといえます。本連載がその一助となれば幸いです。前回は、Eclipseでデータベース設計が行えるプラグインであるERMasterを紹介しました。今回は、いよいよ最終回です。EclipseからAWSに接続できるプラグインであるAWS Toolkit for Eclipseを紹介します。

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AWSとAWS Toolkit for Eclipseの利用準備

 Eclipseを紹介してきた本連載も、いよいよ最終回です。その最終回は、EclipseからAWS(Amazon Web Services)に接続できるプラグインであるAWS Toolkit for Eclipseを紹介します。AWS Toolkit for Eclipseを使って、JavaのWebアプリケーションを作成し、最終的にAWS上で実行させます。

 なお、本稿では、AWSとは何かなどの概論に関しては割愛するので、あらかじめご了承ください。

AWSアカウントキーの用意

 AWS Toolkit for Eclipseは、AWSに接続するプラグインなので、AWSのアカウントにEclipseがアクセスするためのアクセスキーをプラグインに設定する必要があります。その取得から始めましょう。なお、アクセスキーを取得済みの場合は、それを利用してもかまいません。その場合は、以下の作業は不要です。

 AWSコンソールにサインインしてください。AWSアカウントを持っていない場合は、こちらを参考に、アカウントを作成してください。コンソールが表示されたら、右上の名前が表示されている部分をクリックすると、図1のドロップダウンメニューが表示されます。

図1: 名前をクリックして表示されたドロップダウンメニュー
図1: 名前をクリックして表示されたドロップダウンメニュー

 表示されたメニューから[マイセキュリティ資格情報]を選択してください。すると、セキュリティ認証情報画面が表示されるので、アコーディオンメニューの[アクセスキー(アクセスキーIDとシークレットアクセスキー)]をクリックして広げてください。図2の画面が表示されます。

図2: アクセスキーメニューを拡張
図2: アクセスキーメニューを拡張

 表示された[新しいアクセスキーの作成]ボタンをクリックします。すると、図3のアクセスキーが作成されたこと知らせるダイアログが表示されます。

図3: 作成されたアクセスキーを表示させるダイアログ
図3: 作成されたアクセスキーを表示させるダイアログ

 このダイアログ中の[アクセスキーを表示]リンクをクリックして、表示されたアクセスキーをどこかにコピー&ペーストして保存しておいてください。あるいは、[キーファイルのダウンロード]をクリックして、キーが記載されたファイルをダウンロードしてもかまいません。なお、図3のダイアログに記載のある通り、このダイアログを閉じると、二度とアクセスキーの正確な値を取得できませんので、必ずデータを保存するようにしておいてください。

IAMユーザー

 ここで作成したアクセスキーは、AWSのアカウントのアクセスキーであり、無制限の権限が与えられた、いわばルートユーザのアクセスキーとなります。このルートユーザでのアクセスは危険な状態となりうるため、AWSでは推奨されていません。

 ここでは、入門者向けの解説のため、話を簡単にするためにルートユーザのアクセスキーを利用しますが、本来ならば、権限を制限した専用のアクセスユーザを作成し、そのユーザのアクセスキーを利用することが推奨されています。この制限されたユーザを、AWSでは、IAM(Identity and Access Management)ユーザと呼んでいます。詳細は、こちらの公式ドキュメントを参照してください。

AWS Toolkit for Eclipseのインストール

 次に、AWS Toolkit for Eclipseプラグインをインストールします。これは、Eclipseマーケットプレースからインストールできるので、第5回で紹介した方法を参考に、インストールしてください。Eclipseの[ヘルプ]メニューから[Eclipseマーケットプレース]を選択して表示された画面の検索窓に「AWS」と入力すれば、すぐにインストールできます。

 無事インストールが終了し、Eclipseを再起動すると、図4のEclipse AWSツールキットへようこそ画面が表示されるので、そこに前項で取得したアクセスキーIDと秘密アクセスキーをコピー&ペーストして[完了]をクリックしてください。

図4: Eclipse AWSツールキットへようこそ画面にキーを入力
図4: Eclipse AWSツールキットへようこそ画面にキーを入力

 すると、起動したEclipseの画面が図5のようになります。

図5: AWS Toolkit for Eclipseインストール後のEclipse画面
図5: AWS Toolkit for Eclipseインストール後のEclipse画面

 画面下部にAWSエクスプローラービューが表示されているのが分かります。このビューの使い方は後述します。また、ツールバーにアイコンが増えています。次節以降、このアイコンから表示されるメニューを利用していきます。

次節以降の流れ

 では、その次節以降、どのような手順で作業を行っていくのかについて概観しておきます。これは、以下の通りです。

1. AWS Java Webプロジェクトの作成

 AWSで動作するのに最適な形のJava Webプロジェクトとして、firstawsjavaを作成します。

2. firstawsjavaのローカルでの動作確認

 作成したfirstawsjavaプロジェクトを、まずローカル環境で動作確認します。

3. Elastic Beanstalkアプリケーションの作成

 作成したfirstawsjavaを動作させる環境としてAWSのElastic Beanstalkを作成し、同時にデプロイします。

4. AWSでの稼働確認

 AWSで実行されたfirstawsjavaの動作確認を行い、Eclipse上から稼働状況を確認します。

ここで、Elastic Beanstalkについて軽く補足しておきます。

 AWSでWebアプリケーションを公開する場合、その中心となるサービスは、仮想サーバにあたるEC2です。本来ならば、EC2を起動して、そこにTomcatなどの必要な環境を構築し、さらに、場合によっては、データの保存領域であるS3やデータベースサービスであるRDS、ロードバランサのサービスであるElastic Load Balancingなどと組み合わせる必要があります。

 これらの組み合わせや環境構築を、アプリケーションの言語に合わせて最適に、しかも自動的に行ってくれるのが、Elastic Beanstalkです。Elastic Beanstalkを利用すると、簡単にWebアプリケーションの実行環境を構築することができます。本稿でも、このElastic Beanstalkを利用していきます。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 齊藤 新三(サイトウ シンゾウ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介>WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。Web系製作会社のシステム部門、SI会社を経てフリーランスとして独立。屋号はSarva(サルヴァ)。HAL大阪の非常勤講師を兼務。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

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