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データ活用にまつわる課題を解決、進化し続ける「FileMaker」の魅力を大解剖!(AD)

「FileMaker」はローコード開発ツールながら経営にインパクトのある仕組みを内製化できる?――その魅力をFileMakerの開発者が解説

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 ローコード開発ツールながら、ノーコード、さらにはプロコードまで対応する「Claris FileMaker(以下、FileMaker)」。ユーザーの利用形態や要望に応じて柔軟にリレーショナルDBを使ったアプリケーション(カスタムApp)を素早く開発できることから、FileMakerを採用するエンジニアが増えている。2016年9月に設立されたフルーデンス 代表取締役 小巻旭洋氏もその一人。現在、同社ではFileMakerプラットフォームを活用した業務システムの受託開発を中心に、FileMakerを開発ツールとして採用した企業の技術支援や内製化支援を行っている。なぜ小巻氏はFileMakerを採用したのか。そのメリット、および開発事例について語ってもらった。

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入社した会社でFileMakerに出会う

 フルーデンスは、FileMakerを使った業務システムの受託開発を中心にパッケージ製品の開発・販売、コンサルティング業務を手がけている開発会社。ローコード開発ツールであるFileMakerは、プログラミングの知識がなくてもFileMakerの知識があればカスタムAppの開発ができるが、同社ではFileMakerとAWS、Google、MicrosoftへのAPI連携などを得意としている。

 小巻氏とFileMakerの出会いは、社会人1年目に遡る。高校を卒業後、就職した営業会社ではFileMakerを使用していたのである。「最初はFileMakerということを認知せずに使っていましたが、管理部に異動した後、アプリの使い勝手や改善要求など情報システム部の人たちと会話する機会が増え、業務アプリを開発しているツールがFileMakerだということを知りました」(小巻氏)

フルーデンス 代表取締役 小巻旭洋氏
フルーデンス 代表取締役 小巻旭洋氏

 そのとき小巻氏がFileMakerに抱いたイメージは、「改善がスピーディーにできる素晴らしいソフト」だったと話す。管理部のある業務について、「この部分がやりづらい」と改善の依頼を出すと、翌日には改善されたものが提供されていたからだ。そこでFileMakerに興味を持った小巻氏は自腹を切ってFileMakerを購入し、触ってみた。

 その後、小巻氏はWebディレクションをすべく、その営業会社のWebサイト制作を請け負っていた会社に転職。そこではWebディレクターとしてWebサイトの制作を担当した。「コーディングの確認やテストなどをしていました。当時の技量はPHPやMySQLを使って、簡単な社内システムを作れるほどでした」(小巻氏)

 本格的にFileMakerを使って開発をするようになったのは、知人が立ち上げた営業会社に参画したときからだという。インバウンドやアウトバウンドのコールセンターなどの事業を展開する会社で、まだ立ち上げたばかりのため当然システムはなかった。「そこでシステムを外注するため、見積もりをとることになりました。そのためのラフ案を私がFileMakerで作成して社内に提案したところ、『これで良いのでは』という話になり、FileMakerで開発することになりました」と小巻氏は当時を振り返る。

 これをきっかけに小巻氏は本格的にFileMakerの勉強を開始。今ではFileMakerを使ってさまざまな企業のシステムを受託開発するまでの技量を身につけている。

FileMakerで開発する優位性、魅力とは

 では実際、小巻氏はどのようなシステムをClaris FileMakerで開発しているのか。ビルやマンションの洗浄などを請け負うメンテナンス会社では、紙と口頭のコミュニケーションによって行われていた現場作業を統合的に管理する仕組みをFileMakerで構築した。これまでは現場で問題が発生していても、それを管理し集計分析する仕組みがなかったため、潜在機会の損失やリピートの削減など、売り上げに影響する分析ができないという課題があった。そこでiPadを使って現場の報告を効率化するだけでなくカメラ機能を利用して細かい現場の状態もリアルタイムで取得できるようにし、現場作業を統合して管理できるカスタムAppを納品。

 「まだ一部の責任者が使っているだけですが、お客さまからは『開発スピードが速い』と、高評価をいただいています」(小巻氏)

 またもう1つ、ECビジネスを展開するクライアント企業では、自社サイトのほか大手ECモールにも出店しており、そこに掲載される画像をはじめ、在庫や原価、送料などの商品情報、マーケティング情報の管理、情報分析などを効率的かつ柔軟に行う仕組みがなかった。

 「例えばKPI指標に基づいて分析したいと思ったとしても、MySQLなどの一般的なデータベースだと、一旦ダウンロードすることが必要になりますがFileMakerであれば、その手間は不要です。社長自らが『これなら使えそう』と判断したこともあり、融通が利く仕組みができたと満足されています」(小巻氏)

 世の中にはさまざまなローコード開発ツールが登場している。だが、ワークフローやスケジュール管理、顧客管理、見積もり、受注、売り掛け、請求、買い掛け、入金など基幹システムと呼ばれるアプリを自社に合う形で選択しながら統合開発できるツールは少ない。FileMakerなら、このようなシステムを選択しながら統合し、内製で実現できるという。

 レイアウトの自由度が高く、帳票が簡単に作成できること、またステージング環境からプロダクション環境へのリリースが容易なため、本番運用後の対応がやりやすいこと、そしてやろうと思えば一人でヒアリングから運用保守まででき、お客さまからのフィードバックを受けたことを、すぐに編集してアプリ側に反映できるところがFileMakerの魅力だと小巻氏は語る。

 開発効率についても聞いてみた。例えば、Swiftを使ってバックエンドにデータベースを持つiOSネイティブアプリを作る方法を採用した場合、フロントのアプリはXcodeで作成できるため開発量は変わらないが、バックエンドのリアルタイムデータベースの環境を作成しなければならない。もちろんリリースするにはそれぞれテストしてマイグレーションが必要になる一方、FileMakerでカスタムAppを作成する場合は、バックエンドを気にすることなく開発が可能。

 「ネイティブアプリのほうができることは多いですが、FileMakerでは開発時間が少なくなるため、お客さまとのコミュニケーションにより時間をかけることができるので、手戻りが少なく、お客さまにとってもより満足度の高いアプリの開発が可能です」(小巻氏)

外部サービスとの連携のさらなる充実に期待

 FileMakerは、バージョン12からExecuteSQLやODBC/JDBCとの連携、バージョン17から、FileMaker Data APIの提供によりさらにさまざまなWebサービスとのAPI連携が可能になった。今後、FileMakerのどのような展望に小巻氏は期待しているのか。

 「外部連携と一口に言っても他のサービスからFileMakerに連携するケースと、FileMakerから他のサービスに連携するケースの2種類があります。先のケースに使われるのがFileMaker Data APIで、Claris Connectというワークフロー自動化ソフトウェアを使うためにリリースされたものだと思います。Claris Connectでは、ワークフロー連携ができるサービスの数を増やしています。その数が増えれば増えるほど、FileMakerのカスタムAppが連携する選択肢も広がります」(小巻氏)

 一方、FileMakerから他の外部サービスへの連携という意味では、バージョン16からcurlコマンドが使えるようになったことが大きいという。Microsoft Power BIやTableauなどのBIツール、SlackやChatwork、LINEなどのコミュニケーションツールとの連携が容易にできるため、例えばステータスが見積もりから受注に変わるとSlackに飛ばすというような仕組みが簡単に構築できるようになったと話す。外部連携がより容易になると、できることの幅も広がる。

FileMakerであればさまざまなツールとの連携が可能に FileMakerであればさまざまなツールとの連携が可能に
FileMakerであればさまざまなツールとの連携が可能に

 「FileMakerを利用したアジャイル開発は、ウォータフォールではなくアジャイルでの開発で多くても3人程度のスプリントでまわしていくのが基本です。もちろん、開発者自らがお客さまにヒアリングすることになります」と小巻氏が言うように、FileMakerプラットフォームでは、常にユーザーの顔を見て開発することになる。FileMakerで開発され企業で利用されているアプリはB2Cのサービスではないため、FileMakerで開発されたアプリを目にする機会は少ないものの、企業内の業務効率化を実現するツールとしてユーザーに役立つものが動いている。

 しかし、ウォータフォール型の開発エンジニアによってはユーザーの顔もわからず、直接ヒアリングすることもできない状況で仕様書通りにコーディングとテストを繰り返している人も多い。開発段階で疑問を感じたとしても、不要な機能や矛盾している機能を実装してしまうことがあるほか、もっと良い方法を提案できるものの、なかなかユーザー企業に直接提案することができない環境や状況にある開発エンジニアもいる。

 そのような開発エンジニアが、既存の開発とは別にUI設計にFileMakerプラットフォームを採用すれば、ユーザーにとって有効な価値の有る提案をすることができるはずだ。FileMakerは、正しく学びちゃんと開発すれば、ほとんどのケースで現場の課題を解決しユーザーのやりたいことを実現できるプラットフォームなのだ。

 もちろん、FileMakerに限らず、社内スタッフのスキルセットを見直すことでも、同様のことはできるかもしれないが、FileMakerは学習コストが安く、他の環境と比較しても良いプラットフォームだ。興味を持った人は、公式の学習教材をチェックして勉強してみてはいかがだろうか。

 「GitHubでは私を含め、海外の人たちが作ったものを確認できます。それを一度見てほしいです。FileMakerの可能性を実感してもらえると思います」(小巻氏)

 FileMaker関連の仕事が9割以上に及んでいる小巻氏だが、これまでもこれからも「お客さまの課題を解決するより良い方法を提案していくこと」をミッションに掲げ、事業に邁進していく。

FileMakerの学習コンテンツ

 FileMaker学習用動画コンテンツを集めた、Claris公式YouTubeのサブチャンネルです。FileMakerの公式テキスト『FileMaker Master Book』初級編および中級編を丁寧に解説する動画「FileMaker オンライン学習 初級編」「FileMaker オンライン学習 中級編」は、ご自身のペースで学習を進めるのにぴったりです。

 初級、中級、上級のレベル別テキストで体系的にFileMakerの学習ができます。PDF版は無償で提供されています。

 参加無料のWebセミナーやイベント、有償トレーニングなど、FileMakerについて学べるイベントが随時開催されています。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/14492 2021/08/20 12:00

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