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5分でわかるActiveReports帳票

5分でわかるActiveReports帳票-らくらく始める帳票作成(2007年度版)

ActiveReports for .NET 3.0Jで作るサンプル帳票

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新規アプリケーションの作成 2

レポートデータソースの設定

 次に、ActiveReports帳票が参照するデータソースの設定を行います。今回はサンプルデータとして、ActiveReportsに付属のデータ(Accessデータベース)を使用します。

今回使うNWind.mdbに含まれるProductテーブルとSupplierテーブル
今回使うNWind.mdbに含まれるProductテーブルとSupplierテーブル

 レポートデータソースを設定するには、レポートデザイナの「detail」のところにあるデータベース型のアイコンをクリックします。すると設定ダイアログが表示されるので、[作成]ボタンを押してデータベース接続文字列を作成します。今回の接続先はAccessデータベースなので、 OLE DBプロバイダとして「Microsoft Jet 4.0 OLE DB Provider」を選択し、接続先データベースとして、ActiveReportsインストール先のDataフォルダ(標準ではC:\Program Files\ActiveReportsNET3\Data)にある「NWind.mdb」を設定します。

 次に、レポート出力するデータを取得するためのSQLを記述します。今回は「商品ID」「商品名」「仕入先」「在庫数量」を取得する次のようなクエリを設定します。

帳票に出力する項目を取り出すSQL
SELECT Products.ProductID, Products.ProductName,
       Suppliers.CompanyName, Products.UnitsInStock
FROM   Suppliers
INNER JOIN Products ON Suppliers.SupplierID = Products.SupplierID
レポートデータソースに接続文字列とSQLを設定した状態
レポートデータソースに接続文字列とSQLを設定した状態

 接続文字列の設定が終わったら、OKボタンを押してレポートデータソース設定を終わります。

コントロールとデータのバインド

 データソースの設定が終わったら、コントロールとデータのバインドを行います。 TextBoxコントロールのDataFieldプロパティに、データソースとして指定したSQLの列名を設定します。

「商品コード」のTextBoxコントロール(textBox1)のDataFieldプロパティに、"ProductID"を設定
「商品コード」のTextBoxコントロール(textBox1)のDataFieldプロパティに、"ProductID"を設定

 DataFieldプロパティの設定がひと通り終わったら、正しく設定されているかどうか確認しましょう。レポートデザイナの[プレビュー]タブを表示すると、データが配置された印刷イメージを確認することができます。

ActiveReports 3.0Jではレポートデザイナでプレビューを見られる
ActiveReports 3.0Jではレポートデザイナでプレビューを見られる

呼び出し元アプリケーションの作成

 印刷イメージができたところで、今度は帳票を呼び出すアプリケーションを作成します。

 フォームに[帳票生成]ボタン(button1)、[PDF出力]ボタン(button2)、生成された帳票の内容を確認するためのViewerコントロール(viewer1)を配置します。

フォームにコントロールを配置
フォームにコントロールを配置

帳票の生成処理

 コントロールの配置が終わったら[帳票生成]ボタンをダブルクリックし、実際に帳票を生成してビューアに表示するためのコードを実装します。ActiveReportsでは帳票クラスのインスタンスを作成し、Runメソッドを実行すると帳票が生成されます。

 生成された帳票はDocumentプロパティから参照できるので、これをViewerコントロールのDocumentプロパティに設定します。また、Viewerコントロールの機能を使って、帳票のプレビューや拡大/縮小表示、印刷を行うことができます。

帳票生成コード(C# 2.0)
private void button1_Click(object sender, EventArgs e)
{
    using (ProductList report = new ProductList())
    {
        report.Run();
        this.viewer1.Document = report.Document;
    }
}
帳票生成コード(Visual Basic 2005)
Private Sub Button1_Click(ByVal sender As System.Object, _
                          ByVal e As System.EventArgs) _
                             Handles Button1.Click
    Using report As ProductList = New ProductList()
        report.Run()
        Me.Viewer1.Document = report.Document
    End Using
End Sub

 ActiveReports帳票の基本クラスActiveReports3はIDisposableインターフェースを実装しています。帳票クラスの生成時はusingステートメントを利用して、アンマネージドリソースを確実に開放できるようにコードを記述しておくことをおすすめします。

ファイルへの出力

 ActiveReportsはアプリケーションで作成した帳票を直接プレビュー・印刷するだけでなく、 HTMLやPDF、Excelなどさまざまなフォーマットで出力することができます。ここでは、作成した帳票をPDFフォーマットに変換して出力する方法を紹介します。

 帳票をPDFファイルに変換して出力するには、PDF用のエクスポートフィルタが必要です。参照設定から「Data Dynamics ActiveReports PDF Export Filter」を選択し、プロジェクトに追加してください。

PDF Export Filterを参照設定に追加する
PDF Export Filterを参照設定に追加する

 次に、[PDF出力]ボタンをダブルクリックして、PDF出力処理のコードを実装します。 PdfExportクラスはDataDynamics.ActiveReports.Export.Pdf名前空間に属するので、コードの先頭にusing(VBの場合はImports)ステートメントで参照先を追加してください。

 このサンプルでは、ボタンを押すと「名前をつけて保存」ダイアログが表示され、指定した保存先にPDFファイルが生成されます。

帳票生成コード(C# 2.0)
private void button2_Click(object sender, EventArgs e)
{
    using (SaveFileDialog dialog = new SaveFileDialog())
    using (ProductList report = new ProductList())
    using (PdfExport pdfExport = new PdfExport())
    {
        dialog.Filter = "PDFファイル(*.pdf)|*.pdf";
        dialog.FileName = "StockListReport.pdf";
        if (dialog.ShowDialog() == DialogResult.OK)
        {
            report.Run();
            pdfExport.Export(report.Document, dialog.FileName);
        }
    }
}
帳票生成コード(Visual Basic 2005)
Private Sub Button2_Click(ByVal sender As System.Object, _
                          ByVal e As System.EventArgs) _
                            Handles Button2.Click
    Using dialog As SaveFileDialog = New SaveFileDialog(), _
          report As ProductList = New ProductList(), _
          pdfExport As PdfExport = New PdfExport()
        dialog.Filter = "PDFファイル(*.pdf)|*.pdf"
        dialog.FileName = "StockListReport.pdf"
        If dialog.ShowDialog() = Windows.Forms.DialogResult.OK Then
            report.Run()
            pdfExport.Export(report.Document, dialog.FileName)
        End If
    End Using
End Sub

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旧バージョンで作成したアプリケーションの移行

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この記事の著者

宮本奈紗(ミヤモトナサ)

株式会社システムインテグレータ ERPソリューション部所属。ERPシステムの設計・開発に従事。業務でActiveReportsを使用。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

渡辺俊史(ワタナベトシフミ)

株式会社システムインテグレータ パッケージ開発部所属。ECサイト構築パッケージの設計・開発に従事。VSUG(Visual Studio User Group) データベース・データアクセスフォーラムリーダー。blog...

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