学んだ事を実践する、Google Cloud資格取得するには?
北野氏は、Google Cloudの学び方について次の3つがポイントであると述べた。
- Google Cloud以外のITに関して学ぶ
- Google Cloudをハンズオンで実際に作って動かしてみて学ぶ
- 関連資格を取得し、それまでに得た知識を確認して、Google Cloudの学びに落とし込む
Google Cloud以外のITという点について北野氏は、Google CloudもAWSもパブリッククラウドはITリソースを使いやすくパッケージ化したプロダクトであり、そのためにITの基本を知っておくべきだと述べた。知らないままだと、リリースされたプロダクトをどう使うかの判断がつかず、自分勝手な設計になるおそれがあるからだ。
おすすめはIT業界の資格であるIPAの基本情報技術者試験や応用技術者試験だ。IPAの資格試験は、ITの全体像を知るにあたって非常に優れた教材である。LinuxならばLPIC(Linux Professional Institute Center)も非常に良い資格だとした。IT雑誌の4月号は新入社員が知っておくべき知識が特集されることもあり、これを読むと業務に必要な知識の多くを得ることができる。
IT知識を身につけたあとは、Google Cloudの学びに向かう。Google CloudアーキテクチャーセンターというWebページで気になるプロダクトを動かしてみて、それらの原理を理解していく。システムのアーキテクチャー図があればそれを参考に構築してみる。プロダクトの各種パラメータは、エクセルシートなどにまとめれば詳細設計に使える。設計が終われば、実際にコンソールからシステムを構築してみる。構築したら、ページに記載されていた機能が、その通り動作するかなどを確認する。
北野氏は、大切なことは、本や公式ドキュメントを読むだけではなく「実際に手を動かして、どう動くのか原理はどうなのかを理解する」ことであると加えた。
北野氏の場合は、ここから同様のプロダクトをTerraformで構築、別の案件でも使えるようにモジュール化し、あわせて検証した内容を文章にまとめている。
Google Cloudの資格勉強も体系的にスキルを身につけるには良い。資格は3種類、計11個ある。実験・検証で身につけた技能の領域から学習を進めていくといい。過去問を意識した模擬問題集がインターネットで購入可能なので、それを購入して試験に臨むこともできる。模擬問題集は、国内ではUdemyなどが著名だが、北野氏は海外の教材を推薦し、英語が苦手でも購入する価値があるとした。
もし一人での学びに不安があれば、クラウドエースではトレーニングを用意している。Google Cloud認定トレーナーによるオンライン授業に加え、ハンズオンやサンドボックス的な環境で手を動かして試せる。
北野氏もこうした学びを経て、現在のポジションに至った。最後に一番伝えたいこととして、「ITスキルよりも、人間力、パーソナルスキルといったスキルや、事業のドメイン知識をしっかり学んでいただきたい」と重ねてコメントした。業務を行う際に、要件定義や上流工程といった部分で誤った設計がなされると、後々苦労する。だからITスキル以上に業務の基本を抑える必要があるのだ。