テスト専門会社の作ったテスト自動化ツール「T-DASH」とは
こうしたテスト自動化の失敗しがちなポイントを乗り越えるべく、テスト専門会社であるバルテスが開発したテスト自動化ツールが「T-DASH」だ。どのように解決できるのか、その対策となる特徴が以下スライドのように紹介された。
やはり大きな特徴は、日本語で書いたテストケースがスクリプトになることである。すぐに使えて操作が簡単であることや、月額3690円という月4000円を切るコストで運用でき、開発スピードを拘束かできる点も嬉しい点ではないだろうか。
「テスト現場で使いたいときに誰でもすぐに使える点にこだわって、テスト専門会社ならではのテスト自動化ツールをつくりました」(石原氏)
T-DASHを活用して開発現場の課題を解決した事例を紹介
実際にT-DASHを使って開発現場の課題を解決し、テスト自動化の利点を高めた事例が3つ紹介された。
リグレッションテストをするために
あるECサイトのWebフロント案件では、デグレードが高頻度で発生している課題があった。原因は、開発チーム内でアドホックテストを簡単にしているだけだったこと、時間がないときはテストをせずに本番リリースしていたこともあったことだ。
開発チームの自動化を実装できる人が自動化に時間をさけない、3週間1スクリプトで年間15回のアップデート、いつも忙しくて時間を割けないので高価なツールの導入を検討する時間すらとれない状況だった。
そこでT-DASHを活用してリグレッションションテスト実装を行ったところ、それまで常に4名体制で10日間(2人月分)、4名が半月分の工数を割く必要がある状態だったものが、6名体制で5カ月分(30人月)となった。増えたように思えるが、5カ月目から2人月分が1人日、つまり40分の1の負担で済むようになったのである。
「リグレッションテストもできるようになり、品質は上がり工数は下げることができました。運用フェーズの負担を軽減させた上で課題解決することができた好事例です」(石原氏)
自動化導入をするために
ある大手サプライヤーの社内システム開発案件では、テスト自動化の導入・実装のためのエンジニアを4人集めて、自動化導入チームを組もうとしていた。しかし、フリーの自動化ツールは複雑で難しいため、開発スキルが必要となるが、エンジニア単価が非常に高い。有償の自動化ツールは高額で準備が難しいといった事情から苦戦していた。
スクリプトが書けるエンジニアを集めるには、単価150万円×4人で600万円かかってしまう。だが、T-DASHを使ったところ、自動化エンジニア1人(150万円)とQAエンジニア3人(単価80万円×3=240万円)で390万円。約35%のコストを下げることができた。
「インターフェースが簡単で、日本語で使えることができたため、開発スキルがなくても実質2日で、合流できるレベル習熟することができました」(石原氏)