手に汗握るレース開幕、優勝者が語った想い
開会式が終了し、学生達は隣にあるレース会場へ移った。緊張感の中1チーム目のレースがスタートした。1チーム目の学生は、大会開始日の朝まで車体が動かなかったという。しかし、持ち時間の中で何度もトライし、時間ぎりぎりでコースを3周できた時には、会場内が歓声と拍手に包まれた。
その後も、壁に当たりそうな車体がギリギリで通り抜けると歓声が上がるなど、レースは盛り上がりをみせた。今回の大会で初めてハードウェアを触った学生が多く、試行錯誤する中で「本番で3周走り切れたのはよかったが、ハードウェアに時間を取られてしまい、コーディングの部分でもう少し工夫できるところがあったと思う」と悔しさを漏らしたチームもあった。
惜しくもゴール出来ずに終わるチームや、3周走り切ったがコードを少しずつ修正し、最速を出すために何度も挑戦するチームなど、さまざまな物語がみられた。レースが終わった学生達は、2カ月に渡る制作の結果で満足する部分もあれば、もっと工夫できた点もあったと改善点を話し合う姿がみられた。
全てのレースが終わり、結果は1位が22秒75、2位31秒64、3位52秒24となった。1位となったチームは、「一度、手動運転でコースで走らせたことがありましたが、40〜50秒かかってしまいました。最終的に、自動運転車が手動運転よりも高速かつ安全に動く様子に感動しました。まだ自動運転のことはよく分かっていませんが、自動運転が発達した未来になればいいと思います」と将来への期待を話す。
閉会式で、トヨタ自動車 人材開発部 組織開発・育成室 グループ長の大沢ゆき恵氏は「ものづくりというのは学生の皆さんには馴染みがない部分かもしれませんが、ハードとソフトを掛け合わせると無限の可能性があります。今回のイベントで、少しでもものづくりに興味を持ち、みなさんの可能性が広がったのなら本当にうれしく思います」とものづくりに対する想いを語った。
今回のイベントを通して、学生と企業が接点を持ち、学生達は将来のキャリアを考えることができたいい機会になったと感じる。今回のイベントで学生達が自動運転に興味を持ち、ソフトウェアの力でモビリティにさらなる進化をもたらしてくれることを期待している。