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Developers Summit 2024 セッションレポート(AD)

生成AIの普及で問われる「検索」の役割、Elastic社が語るRAGの可能性とは

【16-D-3】Elasticが目指す生成AI 活用の将来像

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RAGを使った検索体験。その裏側ではどんな技術が動いているのか

 続いて、杉本氏はElasticsearchの検索結果とRAGの差分を実際に示すべく、デモを行った。今回は、Elasticの日本語ブログをElasticsearchのWebクローラーに読み込ませたものを使用。フロントエンドのWebアプリはPythonで記述し、裏でLLM(OpenAI)に投げている。

 これが「ベンチマークツールについて教えて」と聞いたときの、Elasticsearchの通常の検索結果だ。

Elasticsearchの通常の検索結果。
Elasticsearchの通常の検索結果

 同様の質問をRAGに投げかけるとどうなるのか。上位3つの検索結果の全文を掛け合わせて要約したものが、サマリーとして表示されているのがわかる。

RAGを使ってサマリーを表示したところ。検索結果のタイトル横には、重み付けに用いる「+」と「-」ボタンがある。
RAGを使ってサマリーを表示したところ。検索結果のタイトル横には、重み付けに用いる「+」と「-」ボタンがある

 「裏では、泥臭いことをいっぱいしている」と言いながら、杉本氏はベクトル検索と全文検索を組み合わせたPythonのコードを見せた。ChatGPTのモデルを使うとプロンプトが長くなり過ぎてしまうので、2500字で切るような工夫もしている。

 なかでも注目したいのが、タイトルの横にある「+」と「-」のボタンだ。これはリアルタイムなデータの重み付けをするためのものである。データの鮮度や重要性などによって、重視したいものは「+」を押して順位を上げることで任意の値が付与され、検索結果の順位が変わると同時に、サマリーの内容も変わるのだ。

 「LLMのモデルの中で何かをしなくても、『このデータを使って回答して』とリアルタイムで指示できるのが一番有用なポイントだ」(杉本氏)

 ちなみに最新バージョンに近いElasticsearchにはWebクローラーも搭載されている。サイトの一部をインデックスに含める/除外するといったクローリングのルールを自由に設定できるほか、各種API経由でフレキシブルにクローラーを管理することも可能だ。

 また、「ElasticsearchのIngest Pipelinesという機能を使えば、外のAPIに投げることなく、Elasticsearch内でテキストエンベディング(=ベクトル化)することもできる」とし、わずか数クリックでデプロイする様子も見せてくれた。

 「Elasticは検索エンジンだけでは終わっていない。生成AIの他にも、さまざまな先進的な取り組みを進めている。RAGや生成AIは銀の弾丸ではなく、あくまでもひとつのツール。これからも試行錯誤は必要だし、Elasticが寄与できることがたくさんあると知ってもらえれば」と語り、また14日間のフリートライアルもあるのでぜひElasticsearchを体験頂きたい、とセッションを終えた。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

 フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり...

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山出 高士(ヤマデ タカシ)

雑誌や広告写真で活動。東京書籍刊「くらべるシリーズ」でも写真を担当。

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