情報処理推進機構(IPA)は、AIの業務利用におけるセキュリティ上の脅威・リスクの認識や対応状況を把握することを目的に、企業・組織における実務担当者を対象に実施したアンケート調査の結果をまとめた、「AI利用時の脅威、リスク調査報告書」を7月4日に公開した。
同調査に先立って実施された、企業・組織における実務担当者4941名に対する事前調査によれば、自身が勤務する企業・組織において業務でのAI利用または利用許可を「している」という回答は16.2%、「これから許可予定」だという回答は6.3%に留まっている。
同調査は、事前調査でAIを利用/許可している、または予定があると答えた人の中から1000名を抽出して、3月18日〜21日に行われた。調査対象者に、AIのセキュリティに関する脅威の種類と度合いを尋ねたところ、虚偽拡散、システム障害、情報漏えいなどいずれの脅威についても同程度に脅威であると答えている。脅威の度合いとしては、「重大な脅威である」と「やや脅威である」を合わせた割合が60.4%を占めた。
AIの導入・利用可否における、セキュリティ対策の重要度を尋ねた質問では、分類AI利用者の74.5%、生成AI利用者の75.0%が「非常に重要だと思う」「やや重要だと思う」と答えている。
生成AI利用時のセキュリティに関連した規則・体制が整備されているかを尋ねたところ、規則の策定、明文化、組織的な検討が行われている企業・組織は20%未満に留まった。
生成AIで生成したコンテンツの利用・評価・普及における課題とその程度を尋ねた質問では、「悪意の生成AIコンテンツを含む詐欺攻撃による金銭被害・情報流出」について「非常に大きな課題である」「やや課題だと思う」と答えた割合が63.8%に達し、もっとも多い。しかしながら、どの課題も60%超となっている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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