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Git中級者への第一歩

【Git中級者への第一歩】自らステップアップする! チートシートや自分で起こすコンフリクトなど、Git学習のヒント

Git中級者への第一歩 第3回

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デブサミウーマン2023で大反響! 『Git中級者への第一歩』筆者の学びの軌跡

 Gitを学ぶためには、具体的にどのようなステップを踏めば良いのでしょうか。ここでは、筆者自身のGit経験を3つの時期に分けて簡単に振り返ってみます。

①「なんとなく」で作業をしていた時期

 筆者は社会人になって初めてプログラミングに触れました。当然、「構成管理」といった概念も初めて知り、配属されたチームでGitを使っていたため、自然とGitを使うようになりました。

 配属直後の開発では「Eclipse」という統合開発環境を利用しており、プラグインのGitツールを利用していました。このツールはGUIでGitを操作するものでしたが、正直当時は何をしているのか全く理解しておらず、とにかく先輩に教えてもらった通りにボタンを押していました。当時の自分にとってはコンフリクトもイレギュラーなことで、何か起きる度に自分では対処できず、先輩に教えてもらっていました。

 数をこなすうちにそんな時期も乗り越え、仕事で困ることはなくなりました。だんだん余裕が出てきて、自分が行っている操作の意味を調べて理解するようになりました。コンフリクトやブランチについても、この時に理解した記憶があります。

 当時、私が所属していたチームではブランチ戦略としてgit-flowを採用していました。ちょうどこの頃に、ブランチの運用方法にはモデルがあり、git-flowの他にもさまざまな運用方法が存在することを知りました。

②+αを学び始めた時期

 「もっとGitを知りたい」「使いこなせるようになりたい」と思い始めた時期です。イレギュラーなことが起きても自分1人で解決できるようになり仕事では困らなかったのですが、同時に「もっと便利なコマンドがあるんだろうな」ということにも薄々気づき始めました。「もっとGitを使いこなしたい」「Gitっておもしろい」と思うようになり、今まで使ったことがないコマンドを調べて業務でも試すようになりました。

 加えて、この頃からGitの操作をCUIで行うようになりました。開発環境がEclipseから別のツールに変わり、Gitの操作感にも変化がありました。この時、「CUIなら操作方法が変わらない」と気づき、黒い画面への憧れもあって積極的にCUIを利用するようになりました。

 当時の自分は初心者エンジニアで、プログラミングやサーバー管理、テストなど、自分1人では何ひとつ満足にできていないと感じていました。そんな中でGitだけは、自分で調べてなんとか使えていたので、成長の実感を嬉しく感じていました。

GUIとCUI、どっちがいいの?

 私は当時、GitにGUIのクライアントツールがあることを知らず、CUIを利用していました。第1回でも触れましたが、Gitを操作する際にはCUIでもGUIでも、自分に合った使いやすいツールを使うと良いと思います。私自身は現在もCUIを使っていますが、GUIのクライアントツールにはコミットログをグラフィカルに表示するなど、便利な部分がたくさんあります。

③アウトプットを始めた時期

 少しずつ使いこなせるコマンドが増えてくると、自分の知識のアウトプットを始めました。チームメンバーに小ネタを紹介したり、技術ブログでGitに関する記事を公開したりなどです。アウトプットすることで、自分が実は理解していなかった部分に気付き、また言語化することで知識が定着する実感がありました。特に、チームメンバーに便利なコマンドを共有して喜んでもらえた時は、とても嬉しかったです。

 この時期に、会社の新人研修でGitとGitHubに関する講師を依頼されました。依頼してくださった方が私のGit好きを知っていたかは定かではありませんが、「また一歩レベルアップできるチャンスだ」と思ったことを覚えています。

 研修の構成をゼロから考えるのはとても大変でした。「座学と実践の割合」「クラス形式以外の研修の可能性」「時間内に終わるかどうか」「当日起こりうるトラブル」など、GitとGitHubの内容以外にも考えることが山ほどありました。さらに、「この表現は正しいか」「より伝わりやすい表現はないか」「他に触れるべきことはないか」といった点についても改めて調べ、考えました。この後も数年間、新人研修に携わる機会をいただき、これらの経験を通じてGitとそれ以外の分野でも多くを学ぶことができました。

 そして2023年には、「Women Developers Summit 2023」で『Git中級者への第一歩』のセッションが採択され、自分の学んできたことをより多くの人に伝える機会をいただきました。セッションから発展して本連載も担当することができ、アウトプットのチャンスが広がっていることを感じています。

 筆者は最初からGitが得意だったわけでも、豊富な知識があったわけでもありませんが、「おもしろい」「もっとやってみたい」という気持ちを原動力に少しずつやれることが増えていきました。Gitに限らず、今は知識がなくとも一歩ずつ経験を積み重ねていくことはできます。自分の中にある「やってみたい」という気持ちを、ぜひ大事にしてください。

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この記事の著者

藤澤 千尋(フジサワ チヒロ)

 ソフトウェアエンジニアとして約10年働いており、最近は主にフロントエンド開発を担当しています。最近、筋トレを始めました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/19919 2024/08/02 11:00

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