Postmanが提供する、TTFC低減に効く2つの機能
この第5のアプローチとして活用できるのが、Postmanである。Postmanは当初、APIクライアントツールという位置づけだったが、今ではAPI開発に関わる、さまざまな便利な機能を有したプラットフォームへと発展している。
「Postmanは、2023年4月より日本にオフィスを構えて活動しており、2023年秋にはPostmanの日本語化も行い、日本語に切り替えるスイッチも用意している。使いやすくなると思うので、ぜひ試してほしい」(草薙氏)
Postmanが提供する特徴的な機能も紹介された。その一つが「コレクション」だ。コレクションはAPIリクエストをグループにして整理した、基本となるデータ構造。「私たちは実行可能ドキュメントと呼んでいるように、単なるデータの格納形式ではなく、APIの呼び出しとドキュメントをセットで保存しておける機能です。つまりAPIの理解と実行が一体化したもの」と草薙氏は説明する。
またPostmanでは「APIネットワーク」というカタログ機能も用意している。これはパブリックAPIネットワークという全世界の利用者・開発者が見られるカタログ機能だけではなく、プライベートAPIネットワークという自社内に閉じたクローズドなカタログとしても利用することができる。カタログを用意しておくことで、「APIの発見が困難」というAPI利用の障壁を軽減することができる。「コレクションとカタログはいずれもTTFCを短縮するための便利な機能です」(草薙氏)
APIネットワークは、誰でも作ったAPIを登録することができるという。「日本では初めてfreeeさんが公式APIとして登録され、ブルーバッジを獲得しました。自社のAPIを公開して、なるべく多くの人に使ってもらいたいと考えている方がいらっしゃれば、ぜひ、私たちに相談してください。スムーズにカタログに載せられるようにサポートします」(草薙氏)
現在、Postmanでは無料で試せるデスクトップアプリやWebアプリを提供している。またAPIを利用者や開発者が日本語で交流するための場、「Postman Japanコミュニティ」Discordサーバーも開設。「Postmanに関する技術的な疑問や質問にも、回答してくれる人たちが集まっています。ぜひ、こちらにも参加してください」と語り、セッションを締めた。