はじめに
WebアプリケーションフレームワークRuby on Railsは、2024年11月にバージョン8.0となりました。2021年12月にリリースされたバージョン7.0からほぼ3年ぶりの大型バージョンアップとなります。今回のバージョンアップでも、大型の機能が多数追加されて細かな改善も行われています。本連載では、強化・改善された機能から注目度の高いものをピックアップし、その概要を紹介します。
機能 | 概要 |
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SQLite Solid Adapter | SQLite統合によりSolid Adapter(Solid Cable、Solid Cache、Solid Queue)が利用可能に |
SQLiteの本番環境への対応 | SQLiteの本番環境での利用が可能に |
デプロイの簡略化 | デプロイツールKamal 2とHTTP/2プロキシThrusterによりデプロイ作業がシンプルに |
scriptフォルダとジェネレータ | 1回限りのスクリプトや汎用スクリプトを保存するための新しいscriptフォルダが利用可能に |
シンプルな組み込みの認証機能 | 認証機能をコードジェネレータによって提供するように |
Propshaftがデフォルトで採用 | 従来のSprocketsに替わりPropshaftがデフォルトのアセットパイプラインに |
Active Recordの改善 | パフォーマンスの向上、マイグレーションの簡素化、トラブルシューティングの改善、複雑なデータベースユースケースのサポート強化など |
対象読者
- Railsの最新バージョンの機能を把握したい方
- Railsの経験者で、Railsに改めて入門したい方
- アプリケーションフレームワークの最新パラダイムに関心のある方
必要な環境
本記事のサンプルコードは、以下の環境で動作を確認しています。
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macOS Sonoma
- Ruby(3.3.6)
- Ruby on Rails(8.0.0)
- Visual Studio Code 1.95.3(Ruby LSP 0.8.16, Rails 0.22.8)