生成AIでデータの解釈やレポーティングも容易に
第3のフェーズは「データの解釈・評価」。ここではSQLを簡単に解釈する機能を紹介。SQLの気になる箇所を選択し、「Explain this query」をクリックすると、GeminiがSQLの内容を自然言語で説明してくれる。
続いて紹介したのはBIツール「Looker」で使える「Dashboard Summary」という機能だ。ダッシュボードの各タイルの概要をGeminiが解釈し、次のステップなどを自然言語で返してくれる機能である。使う際は、「Lookerに最初からGeminiが組み込まれているわけではない。そのため組み込みが必要」と注意を促した。

さらにGoogle Cloudが提供するBI製品「Looker Studio Pro」の「Conversational Analytics」機能も披露した。この機能は「会話分析」というボタンをクリックすると、会話ドリブンでデータ分析ができるようになるもの。
BigQueryはもちろん、Googleスプレッドシートなど手元のファイルもアップロードすればデータソースとして使える。今回のセッションでは、実際に手元のファイルをアップロードして、データソースとして使う場面をデモで紹介。データの解釈はもちろん、こういう分析をしたいと自然言語で投げかけると、それに対する結果を返してくれる。さらにその結果のサマリーもConversational Analyticsが作成してくれる。「この機能の最大の特徴は、分析の算出方法をブラックボックス化することなく出してくれること。安心して生成AIを使った自然言語による分析ができる」(山田氏)
第4のフェーズは「データの活用・展開」。BIツールでダッシュボードを作成した際、それを基にスライドを作成、レポートとして提出することを求められることも多い。そこで山田氏が紹介したのは、Looker Studio Proを使う方法だ。Looker Studio Proの右横にGeminiのサイドパネルを出し、「スライドを生成」をクリックするだけで、ダッシュボードの内容にサマリーを付与した状態でスライドを生成してくれるのだ。
これまで紹介した機能のほかにも、データ分析に役立つ機能がある。それはBigQueryからデータを移動することなく、直接Geminiを呼び出せるというもの。例えば、BigQueryに入っているユーザーコメントを感情分析することもできる。またBigQueryはマルチモーダルにも対応しているため、Geminiを使えば、SQLだけで音声データを文字に起こし、それを要約して分類し、さらに可視化することもできるようになっているという。
「今後、分析するデータの8割以上が非構造化データになってくると言われている。それをSQLで扱えるのはBigQueryの大きな強み」と山田氏は言い切る。
最後に山田氏が紹介したのが「Vertex AI Search」という機能だ。「これは簡単にGoogleライクな検索エンジンが作れる機能」と言う。データソースにBigQueryを選択すると、Vertex AI Searchのさまざまな機能が使えるようになるという。例えばブーストという機能を使えば、条件に合致したドキュメントを優先的に表示、または下げることが可能になる。「例えばECサイトでこの期間に●×というワードで検索されたら、この商品を上位に出したいというようなことができるようになる」(山田氏)
「ぜひBigQueryとGeminiを使って、皆さんがお持ちのデータの価値を向上していただきたい」山田氏は最後にこう語り、セッションを締めた。