Rovoとサードパーティアプリの連携で作業効率が向上
続いて、Rovoの話に入っていく。Rovoは「Find(探す・見つける)・Learn(人間が学習する・理解を深める)・Act(行動する)」をアシストするAIのプロダクトである。プロダクトとは言っても、JiraやConfluenceのような単品ではなく、アトラシアンのさまざまなプロダクトに組み込まれているが、利用するには別途ライセンス費用が必要だ。
Findに関して言えば、Rovoの検索はAtlassian Intelligenceよりも検索範囲が広い。コネクタでJiraやConfluenceと連携しておけば、Google DriveやSlackなどのサードパーティアプリ内にある情報も引っ張ってくることができる。
現在、コネクトできるのはFigma・GitHub・Box・Slack・Microsoft Teams。他にも以下のようなアプリに順次対応していく予定だ。

次に古川氏はデモを見せながらRovoでできることをいくつか紹介した。
- 過去の課題や関連情報の深掘り:例えばUI変更を任された場合。JiraのプロジェクトボードからRovoのチャット画面を開いて、「過去にUI修正や変更に対応したのは誰?」と聞くと、JiraやConfluence、そのほかに連携しているアプリを横断的に検索して、その人物を特定してくれる。
- 作業レポートの作成:急に上長から、「現状を報告しろ」と言われた場合。Rovoに「過去のUIの改善、修正、変更に関連するタスクと、そのベネフィットをまとめて、レポートを書いて。プロダクト開発のことがわかっていない部長に対して、やってる感を出すために使います。硬めの日本語でよろしく」と頼むと、あらゆるところに散らばった情報をまとめて、レポートを作成してくれる。
- ConfluenceからJira課題を作成(β版):Confluenceのページで「Jira課題を作成」ボタンを押すと、それまでのコンテクストを踏まえたうえで複数のチケットを提案してくれる。現在はまだβ版のため提案されるチケットのタイトルは英語表記となっているが、今後、日本語にも対応していく予定だ。
また、Visual Studio CodeのCopilot ChatにはRovoのプラグインがあり、Copilot Chatから直接Rovoに話しかけることができる。つまり、Copilot ChatからJiraのタスクを確認したり、Confluenceの情報を検索したりすることができるのだ。これにより、ウィンドウを切り替える手間が省け、作業効率が向上する。ブラウザを開いたついでに「x.com」と入力して、時間を溶かしてしまうようなこともなくなるだろう。

「去年の社内調査によると、アトラシアンの開発者はAIを利用することで、毎週平均1時間43分を節約できている。アトラシアンはSystem of Workをテーマに、チームワークの課題領域に対して、JiraとConfluence以外にもRovoをはじめ、さまざまなプロダクトをマッピングして展開していることを知ってもらいたい」と語り、古川氏はセッションを締め括った。
※本記事は2025年2月時点の情報に基づいて掲載されています