ゴールの見えない技術的負債の返済
国内最大級のヘアサロン&リラク、ビューティーサロンの検索予約サービスである『ホットペッパービューティー』。iOS・AndroidのネイティブアプリとWebで提供され、年間約1億8000万回もの予約実績を誇る。
しかしながら、6年前のリプレースから時間が経過し、技術的負債が蓄積。返済活動がメンバーの主体性に任されており、担当者によって工数が異なるなど計画性がなかったという。浅井氏は「気合でなんとか運用している状態だった」と当時を振り返る。そして、技術的負債を返済しなければという課題感はあったものの、どうなれば返済完了と言えるのか「ゴール定義」ができておらず、進捗状況の把握も困難だったことを明かす。

そこで、浅井氏らは、技術的負債を解消することを決意。施策について次のように手順を設定した。
- 開発組織としてのプロダクトの理想の世界観を定義する
- 理想の仮説を洗い出す
- 課題の仮説と解決策案を洗い出す
- 仮説のマージと改善の分類
- 整理と評価を行い、ファクトチェックを実施する
- KPIツリーとの紐づけを行い優先度を決定する

これらの施策に取り掛かる前に、浅井氏から「ポイント0」として、「一緒に取り組む仲間を見つけること」と「いくつかの工程で集まって作業を行うこと」が紹介された。『ホットペッパービューティー』の場合は、チームリーダーとiOS、Androidのリーダーの計3名で実作業を担い、上司にフィードバックやレビューを依頼した。また、「理想の世界観の定義」「理想と課題の仮説の洗い出し」「仮説のマージと改善の分類」など、対話を必要とする工程ではメンバ−が集まり、集中して作業する日を設けたという。