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FileMaker Pro 実践チュートリアル(AD)

FileMaker Pro によるWebデータベース構築 (2) : インスタントWeb公開

第8回 FileMakerの使いやすさを体現したインスタントWeb公開

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アカウントと拡張アクセス権の設定

 FileMakerでは、FileMakerネットワーク共有やWeb公開などでデータ共有を行う場合には、データベースごとに「拡張アクセス権」を設定する必要があります。拡張アクセス権を使用すると、任意の「アクセス権セット」を割り当てられたアカウントが、許可された共有方法でデータにアクセスできるようになります。インスタントWeb公開でデータベースを公開する場合も同様に、拡張アクセス権に関する設定が必要になります。

ゲストアカウントの有効化

 具体的な手順としては、まず[ファイル]メニューの[管理]サブメニュー内の[アカウントとアクセス権]を選びます。選択後、[アカウントとアクセス権の管理]ダイアログボックスが表示されます。今回は誰でも閲覧できるという前提で進めることにしますので、ゲストアカウントを有効にするために、[アカウント]タブにおいて「[ゲスト]」アカウントのチェックボックスにチェックをつけて、ゲストアカウントをアクティブにします(図6)。

図6 [アカウントとアクセス権の管理]ダイアログボックス
図6 [アカウントとアクセス権の管理]ダイアログボックス

 ゲストアカウントには、最初から用意されているアクセス権セットである「[閲覧のみアクセス]」が割り当てられていることが同じ画面で確認できますが、今回はそのアクセス権セットをそのまま利用することにします。用途や目的によっては、あるユーザーには特定のデータの閲覧や編集ができないようにしたり、権限を細かく調整したいニーズが出てくることがあります。そのような場合には、[アクセス権セット]タブで新しいアクセス権セットを作成して、各アカウントに割り当てることになりますが、今回はその点は省略します。

完全アクセスアカウントにパスワードを設定

 次に、データベースを管理できる完全アクセス権を持つアカウントにパスワードを設定します。これはデータベースを共有、公開する際にはセキュリティ上欠かせない設定です。完全アクセス権が割り当てられている「Admin」アカウントを選択し、その状態で[編集]ボタンをクリックすると、[アカウントの編集]ダイアログボックスが表示されます(図7)。そこで[パスワード]欄に任意のパスワードを入力し、[OK]ボタンを押します。ここで設定したアカウント名とパスワードを忘れると、データベースを開くことができなくなるので注意してください。

図7 [アカウントの編集]ダイアログボックス
図7 [アカウントの編集]ダイアログボックス

拡張アクセス権の設定

 続いて、ゲストアカウントにインスタントWeb公開でのアクセスを許可するために、[拡張アクセス権]タブをクリックします。インスタントWeb公開の拡張アクセス権キーワード「fmiwp」を選択し、[編集]ボタンをクリックします(図8)。

図8 インスタントWeb公開を利用する場合には拡張アクセス権の設定が必要
図8 インスタントWeb公開を利用する場合には拡張アクセス権の設定が必要

 ゲストアカウントが割り当てられているアクセス権セット「[閲覧のみアクセス]」のチェックボックスにチェックをつけて(図9)、[OK]ボタンを押し、続いて[アカウントとアクセス権の管理]ダイアログボックスの[OK]ボタンを押します。

図9 [拡張アクセス権の編集]ダイアログボックス
図9 [拡張アクセス権の編集]ダイアログボックス

 最後に、[完全アクセスでのログインの確認]ダイアログボックスが表示されます(図10)。[完全アクセスアカウント]欄に「Admin」、[パスワード]欄にさきほど設定したAdminアカウントのパスワードを入力して、[OK]ボタンを押すと、上述のアカウントと拡張アクセス権の設定が完了します。

図10 [完全アクセスでのログインの確認]ダイアログボックス
図10 [完全アクセスでのログインの確認]ダイアログボックス

インスタントWeb公開の有効化

 FileMaker Proでは、[インスタント Web 公開]ダイアログボックス(図11)で、インスタントWeb公開機能のオン/オフを切り替えることができます。通常はオフになっているので、インスタントWeb公開機能を有効にする必要があります。

図11 [インスタント Web 公開]ダイアログボックス
図11 [インスタント Web 公開]ダイアログボックス

 [インスタント Web 公開]ダイアログボックスを表示させるには、[ファイル]-[共有設定]-[インスタント Web 公開]を選びます。[インスタント Web 公開]のラジオボタンで[オン]をクリックし、[OK]ボタンを押すと、インスタントWeb公開が有効になります。このとき、Mac OS Xではシステムの管理者パスワードの入力が必要な場合があります。

Webブラウザでの確認

 Webブラウザを起動して「http://localhost/」(TCP/IP ポート番号を80に設定している場合)にアクセスすると、FileMaker Proで開いているデータベースの一覧を確認できるデータベースホームページが表示されます(図12)。

図12 インスタントWeb公開のデータベースホームページ
図12 インスタントWeb公開のデータベースホームページ

 適切に設定が行われていれば、さきほど作成したデータベース「HelloWorld」が表示されているはずです。「HelloWorld」をクリックすると、データベースを表示させることができます。非常にシンプルなものですが、1行もコードを書かずにWebアプリケーションが出来上がりました。セキュリティにかかわるアカウントとアクセス権の設定については事前の準備がある程度必要ですが、すぐにデータベースをWebで共有できることを実感していただけたと思います。

 確認後、画面左下に表示されている[ログアウト]ボタンを押してみてください(図13)。ボタンを押すと、データベースホームページに戻ります。

図13 インスタントWeb公開ではFileMaker Proで定義したレイアウトが反映される
図13 インスタントWeb公開ではFileMaker Proで定義したレイアウトが反映される

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スクリプトの利用

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この記事の著者

松尾 篤(マツオ アツシ)

2000年に株式会社エミックに入社。2007年より同社代表取締役。FileMakerとオープンソースソフトウェアのインテグレーションを得意とし、FileMakerによるWeb公開に関連する内容を取り扱ったブログを日々更新中。FileMaker 8 認定デベロッパ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/2213 2008/09/05 11:02

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