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一歩進んだAndroidアプリ開発ができる「Android Jetpack」入門

画面遷移を管理してくれるナビゲーションコンポーネント

一歩進んだAndroidアプリ開発ができる「Android Jetpack」入門 第15回

ナビゲーションコンポーネントを利用した画面遷移コード

 ナビゲーショングラフが作成できたので、ナビゲーションコンポーネントを利用した画面遷移コードを紹介します。

別のフラグメントへの遷移

 まず、別のフラグメントに遷移して表示させるコードです。これは、リスト1の代わりとなるコードであり、Javaではリスト6のコードとなります。

[リスト6]MemoListFragment.java
NavController navController = NavHostFragment.findNavController(MemoListFragment.this);  // (1)
navController.navigate(R.id.action_memoListFragment_to_memoDetailFragment, arguments);  // (2)

 リスト1と比べると、非常にシンプルなコードになっています。

 まず、ナビゲーションコンポーネントを利用する場合、その核となるクラスであるNavControllerのインスタンスを取得する必要があります。それが、リスト6の(1)のコードです。NavControllerをフラグメント内で取得する場合は、NavHostFragmentクラスのstaticメソッドであるfindNavController()を実行し、引数として、自身のフラグメントインスタンスを渡します。

 NavControllerインスタンスが取得できたら、あとは(2)のように、アクションのidを引数にnavigate()メソッドを実行するだけです。メモリスト画面からメモ詳細画面へのアクションは、リスト5の(10)の通り、action_memoListFragment_to_memoDetailFragmentなので、このR値を引数として指定しています。

 なお、navigate()メソッドには第2引数としてBundleオブジェクトを渡すことができます。これを利用すると、遷移先フラグメントにデータを渡すことができます。この仕組みは、通常のフラグメント間遷移と同様です。

 このようなシンプルなコードだけで、バックスタックへの追加などフラグメント間遷移における注意点を全て自動で行ってくれます。

 ここで、Kotlinコードも紹介しておきます。といっても、リスト6を単にKotlinコードに置き換えただけで、リスト7のコードとなります。

[リスト7]MemoListFragment.kt
val navController = NavHostFragment.findNavController(this@MemoListFragment)
navController.navigate(R.id.action_memoListFragment_to_memoDetailFragment, arguments)

元の画面に戻るコード

 バックスタックからポップして元の画面に戻るコードに関しても、NavControllerを利用します。

 これは、リスト2の代わりとなるコードであり、Javaではリスト8、Kotlinではリスト9のコードとなります。FragmentManagerを利用したコードと同名メソッドであるpopBackStack()を実行するだけです。

[リスト8]MemoDetailFragment.java
NavController navController = NavHostFragment.findNavController(MemoDetailFragment.this);
navController.popBackStack();
[リスト9]MemoDetailFragment.kt
val navController = NavHostFragment.findNavController(this@MemoDetailFragment)
navController.popBackStack()

まとめ

 Android Jetpackについて紹介していく本連載の第15回は、いかがでしたでしょうか。

 今回は、画面遷移をまとめて管理できるナビゲーションコンポーネントの使い方を紹介しました。次回も、ナビゲーションコンポーネントを紹介する回であり、型安全にナビゲーションを行う方法、ナビゲーショングラフをKotlin DSLで定義する方法を紹介します。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 齊藤 新三(サイトウ シンゾウ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介>WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。Web系製作会社のシステム部門、SI会社を経てフリーランスとして独立。屋号はSarva(サルヴァ)。HAL大阪の非常勤講師を兼務。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/22588 2025/11/27 11:00

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