データベースのミラーリング
最近の傾向として、企業はデータや関連するアプリケーションが常に利用可能であることを求めるようになっています。それゆえ、企業のデータベース管理システムを24時間常に稼動させ、オンラインに保つことの重要性は増しています。データベースのミラーリングは、データベース管理システムの可用性と災害復旧性を高める技術であり、データとデータ同期を常時利用できるようにします。
データベースのミラーリングシステムは、それぞれ別のコンピュータ上で実行される2つあるいは3つのデータベースサーバから成り、これらのサーバの連携によってデータベースのコピーを保持します。データベースのミラーリングは、プライマリサーバ、ミラーサーバ、監視サーバという3種類のサーバによって行われます。プライマリサーバとミラーサーバはそれぞれがデータベースファイルのコピーを保持します。監視サーバはデータベースのコピーを保持せず、他の2つのサーバのうちどちらにデータベースの所有権を持たせるかを決定します。
統合データベースの高可用性
データベースのミラーリングは統合データベースの高可用性を実現します。図4の点線は、データベースのミラーリング環境でロールの切り替えが起こった場合の、同期サーバのフェールオーバーを表しています。
同期サーバの高可用性
データベースのミラーリング環境を用意しただけでは、データ同期システムの単一障害点の問題は解決されません。図4では、同期サーバが単一障害点になります。しかし、複数の同期サーバとロードバランサ(フェールオーバークラスタ)を使用すれば、システムの単一障害点を取り除くことができます。図5の点線は、データベースのミラーリング環境でロールの切り替えが起こった場合、あるいは同期サーバ#1で障害が発生した場合の、同期サーバのフェールオーバーを表しています。
ロードバランサ(フェールオーバークラスタ)と複数の同期サーバの導入によって、データ同期環境の各コンポーネントが二重化されます。この環境ならば、ハードウェアあるいはソフトウェアに障害が起こっても、データ同期システムは引き続き機能します。