3. 比較結果
3.1. 基本情報
日本語対応やインストール時の容易さについて比較します。
3.2. 機能
エディタのコード補完やサーバ連携などの機能について比較します。
3.3. 操作性
操作時の容易さや、軽快に動作するかについて比較します。
3.4. 総合評価
これまでの評価カウントを合計したものです。
3.5. 各製品の特徴
以下、各製品の特徴について述べ、機能比較表の内容を補足します。
3.5.1. NetBeans
機能が充実している一方、動作速度も確保されていて全体のバランスが良好です。
NetBeansの充実した機能の背景には提供元であるSun Microsystemsによるスクリプト言語への取り組み強化があり、将来的にRubyとJavaを連携させる場合にも強みを発揮することが予想されます。
- 長所
- シンタックスハイライトがきれいで読みやすい
- リファクタリング機能やコード内でメソッドの宣言箇所にリンクする機能など細かい部分にも対応している
- 短所
- IDE起動後の索引作成に時間がかかる
- JavaのIDEとしてデファクトスタンダードであるEclipseではないため、見た目、操作感が違い戸惑う可能性がある
3.5.2. Aptana Studio+RadRailsプラグイン
JavaScriptやCSSのエディタ機能が充実しているので、Ruby/RoRでRIA開発を行う場合には最も有力なIDEです。
- 長所
- Ajax開発環境としての機能が豊富なのでJavaScriptやCSSを多用する場合に便利
- ERb、HTMLの補完機能が充実している(自作メソッドも補完)
- 短所
- 動作速度はやや遅く、コード補完時の候補表示に時間がかかる
- デフォルトのヒープサイズのまま使用した場合フリーズすることもあるので注意が必要
3.5.3. Eclipse+RadRailsプラグイン
JavaのIDEではデファクトスタンダードであるため情報量が多く、使用経験者が多いのが特徴です。
(RIAに特化していない)Ruby/RoR開発環境としての機能面では、AptanaStudio + RadRailsプラグインの組み合わせとほとんど差異はありません。
- 長所
- 既にEclipseを使用している場合、Ruby/RoRと他言語の開発環境を一元化できる
- 短所
- Eclipse自体の課題として複数のプラグインの依存関係やバージョンの不整合により動作が不安定になる場合がある
3.5.4. 3rdRail
今回調査した製品の中では唯一の有償IDEであり十分なサポートが期待できますが、選定に際してはライセンス料がネックになると思われます。
EclipseをベースにしているためユーザーインターフェイスはEclipseやAptana Studioとよく似ていますが、Railsアプリケーション用の独自の表示機能を備えています。
- 長所
- 他IDEに比べて動作が軽くコード補完時のストレスがない
- 短所
- 1ライセンスあたり約5万円の導入コストがかかる
3.5.5. Vim + rails.vim、GNU Emacs
IDEと比較するとサーバ連携などの機能はありませんが、スクリプトを自作するなどして自由に拡張できるため、熟練すれば開発を行う際の選択肢になりえます。
- 長所
- 運用環境で使用できる
- シェルで使用できる
- 速い
- 安定している
- 非常に拡張性が高い
- 短所
- IDEと比較するとサーバ連携などの機能面で劣る
- 使いこなすまでに時間がかかるとされ、始めは開発効率が上がりにくい