プロパティファイルへの動的なメッセージ設定
ここまでは、固定メッセージをプロパティファイルに設定してきました。しかし、Struts 2ではプレースホルダを利用して、動的にメッセージを設定することもできます。
具体的には、前述のgetText
メソッドの引数に置換する文字列を指定し、動的にメッセージを参照します。例えば、プロパティファイルに次のような記述を行います。
fieldLabel.name=名前 fieldLabel.age=年齢 errors.required={0}を入力してください
次のようにgetText
メソッドを記述すると、動的に置換されたメッセージを得ることができます。ちなみに、このサンプルは共通メッセージを統一して定義するという使い方の例にもなっています。
getText("errors.required", new String[]{ getText("fieldLabel.name") }); getText("errors.required", new String[]{ getText("fieldLabel.age") });
また、getText
メソッドは次のようにプロパティファイル内にも記述できます。用途としては、グローバルなプロパティファイルを用いて共通の文字列を定義し、その参照をAction
クラスごとのプロパティファイルで行うようなケースが考えられます。
errors.sample=${getText("AppName")}では、この機能は使用できません
XML定義ファイルでのgetText
Struts 2では、設定ファイルにOGNL式が書けるようになっているので、getText
メソッドはバリデーション定義のXMLファイルにも適用できます。下記の例では、動的なパラメータを扱えるようになります。なおOGNL式でのリストは、プログラムでの表記と異なり、要素を{}で囲むように記述しますので注意してください。
<validator type="requiredstring"> <param name="fieldName">name</param> <message>${getText("errors.required",{getText("fieldLavel")})}</message> </validator>
まとめ
今回は、バリデーションロジックを自前で記述する方法と、メッセージをプロパティファイルを用いて管理する方法を解説しました。いかがでしたでしょうか。
さて、前回から2回にわたってバリデーション、アクションの遷移、メッセージの変換を紹介しました。これらには共通点があります。それはすべて自動で処理されていること。自動で処理されるというのは、どういう仕組みなのか、次回はそのあたりを解説することにします。
参考資料
- Apache Struts
- Struts 2+Spring 2+Tiles+Acegi+iBatis+GWT+JUnit 4+JMockit でフルスタックJAVAフレームワーク
- 【特集】実践サンプルで学ぶStruts 2 - 生まれ変わった定番フレームワークを徹底解説:マイコミジャーナル
- (・ω・)Serendipity ::: Light in Moment
- ぶろぐっぽいなんか
- 「Practical Apache Struts 2 Web 2.0 Projects」(Ian Roughley 著、Apress、2007年11月)
- 「StrutsによるWebアプリケーションスーパーサンプル第2版」(高安厚思、西川麗 著、ソフトバンク クリエイティブ、2007年3月)