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流行りのクラウドサービスを操ってみよう!Amazon EC2/S3環境構築のすべて

AWSの概要と登録手順
~Amazon EC2/S3環境構築のすべて~

第1回

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「Amazon EC2」と「Amazon S3」の料金体系

 前述のとおり、料金体系については両サービス共に完全従量制となっています。

 「Amazon EC2」は、インスタンス規模の種類に応じて1時間単位で課金されるようになっています。なお、ここで記している「インスタンス」とは、仮想マシンそのものの実体を指します。すなわち、1インスタンスがサーバ1台を意味しています。また、転送量とオプションの使用に応じた課金も発生します。「Amazon EC2」のオプションについては次回以降で詳しく説明していく予定です。インスタンスの価格については、次の表1を参照ください。

表1:「Amazon EC2」インスタンス価格表
表1:「Amazon EC2」インスタンス価格表

 EC2の転送量に応じた価格は、次のとおりです。

インバウンド
1GBあたりの料金
$0.10
アウトバウンド
  1GBあたりの料金
最初の10TBまで $0.17
次の40TB分 $0.13
次の100TB分 $0.11
150TB以降 $0.11
※注1

 アウトバウンドの累計転送量については、1ヶ月あたりの計算となります。

 「Amazon S3」は、ストレージに保存しているデータ量および転送量、発生したリクエスト量(使用量)に応じた課金となっています。2008年11月1日より、ストレージの使用量についても、転送量と同様の「使えば使うほど容量あたりの単価が下がる」課金体系へと変更されました。価格については、次の表2を参照ください。

表2:「Amazon S3」価格表
表2:「Amazon S3」価格表

「Amazon EC2」と「Amazon S3」を使った事例

 日本国内での利用事例はまだ少ないものの、海外では大規模での利用事例があります。その内のいくつかを簡単に紹介します。

The New York Times

 数TBもの過去記事をAmazon S3に保存し、そのアーカイブ処理を100台規模のEC2インスタンスを使用して処理している。(参考リンク:The New York Times Archives + Amazon Web Services = TimesMachine:New York Times)

AWSを利用して運用されているThe New York Timesの過去記事アーカイブ「TimesMachine」(※画像をクリックすると対象サイトへ移動)
AWSを利用して運用されているThe New York Timesの過去記事アーカイブ「TimesMachine」
NASDAQ

 過去の株式市場情報をAmazon S3へ保存している。(参考リンク:NASDAQ’s Use of Amazon S3

Amazon S3をデータストレージとして利用している「NASDAQ Market Replay」(※画像をクリックすると対象サイトへ移動)
SmugMug

 オンラインフォトストレージ。100TB以上ものデータをAmazon S3に保存している。

SmugMug(※画像をクリックすると対象サイトへ移動)
ANIMOTO

 スライドショー作成サービス。動画処理、およびファイルの保管にAmazon EC2とAmazon S3を使用。ピーク時には3500~4000ものインスタンスを同時に使用していた。

ANIMOTO(※画像をクリックすると対象サイトへ移動)
ANIMOTO
Basecamp

 プロジェクト管理ツール。ストレージにAmazon S3を使用している。

Basecamp(※画像をクリックすると対象サイトへ移動)
SlideShare

 プレゼンテーションファイル共有サービス。データの保存にAmazon S3を使用している。

SlideShare(※画像をクリックすると対象サイトへ移動)
SlideShare

 このように海外では、既に数千ものAmazon EC2のサーバインスタンスを使った事例や、Webサービスのバックエンドで数TBにも及ぶストレージを使用した事例もあり、今後も利用事例は多くなっていくと考えられます。

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この記事の著者

並河 祐貴(ナミカワ ユウキ)

TIS株式会社 / 社内ベンチャーカンパニー「SonicGarden」所属。オブジェクト指向開発、開発環境・ツール整備に従事した後、近年はRuby on Railsを中心としたオープンソース系ミドルウエアの検証 / 導入や、X...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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