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MFCのデバイスコンテキストを使う

MFC初心者のためのグラフィック操作入門

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ブラシの使用方法

 ペイントや塗りつぶしを行うにはブラシを使います。さまざまな種類のブラシを作成できます。

  • 純色ブラシ
    色を指定して作成(CreateSolidBrushおよびCreateSysColorBrush)
  • パターンブラシ
    ビットマップを指定して作成(CreatePatternBrush)
  • DIBパターンブラシ
    デバイス非依存ビットマップを指定して作成(CreateDIBPatternBrush)
  • ハッチブラシ
    パターンと色を指定して作成(CreateHatchBrush)
    • 45度の右下がりハッチ(HS_BDIAGONAL)
    • 45度の右上がりハッチ(HS_FDIAGONAL)
    • 水平と垂直の格子ハッチ(HS_CROSS)
    • 45度の斜め格子ハッチ(HS_DIAGCROSS)
    • 水平線ハッチ(HS_HORIZONTAL)
    • 垂直線ハッチ(HS_VERTICAL)

 これらのブラシは、LOGBRUSH構造体を指定して作成するという方法もあります(CreateBrushIndirect)。

ブラシの使用例1

 次に紹介する1番目の例では、赤色の純色ブラシを使って四角形を描画します。Rectangle()メソッドを使う場合は、デバイスコンテキスト内でブラシを選択する必要があります。また、このメソッドは、現在選択されているペン(既定では1ピクセル幅、実線、黒色)を使って四角形の周りに縁も描画します。

void CChildView::OnPaint()
{
   CPaintDC dc(this);

   CRect rc;
   GetClientRect(rc);
   rc.DeflateRect(50, 50, 50, 50);

   // create a solid red brush
   CBrush br(RGB(255, 0, 0));
   // select the brush into the device context
   CBrush* oldbrush = dc.SelectObject(&br);

   // draw a rectangle using the current brush for filling and
   // current pen for border
   dc.Rectangle(rc);

   // select back the old brush
   dc.SelectObject(oldbrush);
}

ブラシの使用例2

 2番目の例では、COLORREFカラーまたはシステムカラー(COLOR_BTNFACE)から純色ブラシを作成します。FillRect()メソッドは、提供されているブラシを使って四角形を描画します(CDCオブジェクトで事前に選択されている必要はありません)。四角形の周りに縁を描画しない点も、Rectangle()とは異なります。

void CChildView::OnPaint()
{
   CPaintDC dc(this);

   CRect rc;
   GetClientRect(rc);

   // create a red brush
   CBrush br1;
   br1.CreateSolidBrush(RGB(255, 0, 0));

   // create a brush with a system color
   CBrush br2;
   br2.CreateSysColorBrush(COLOR_BTNFACE);

   // fill a left rect with red brush
   CRect rc1 = rc;
   rc1.DeflateRect(50, 50, rc.Width()/2+10, 50);
   dc.FillRect(&rc1, &br1);

   // fill a right rect with system color brush
   CRect rc2 = rc;
   rc2.DeflateRect(rc.Width()/2+10, 50, 50, 50);
   dc.FillRect(&rc2, &br2);
}

ブラシの使用例3

 パターンでの塗りつぶしには、ビットマップを使います。リソースからビットマップを読み込み、それを使ってブラシを作成できます。RoundRect()メソッドは、縁が丸い四角形を描画します。この例では、白黒のタイルパターンを使っています。

void CChildView::OnPaint()
{
   CPaintDC dc(this);

   CRect rc;
   GetClientRect(rc);
   rc.DeflateRect(50, 50, 50, 50);

   CBitmap bmp;
   bmp.LoadBitmap(IDB_PATTERN);

   // Create a pattern brush from the bitmap.
   CBrush brush;
   brush.CreatePatternBrush(&bmp);

   // Select the brush into a device context, and draw.
   CBrush* pOldBrush = (CBrush*)dc.SelectObject(&brush);

   // draw a rounded rectangle
   dc.RoundRect(rc, CPoint(10,10));

   // Restore the original brush.
   dc.SelectObject(pOldBrush);
}

ブラシの使用例4

 このセクションの先頭で示したように、6種類のハッチブラシを作成できます。そのすべての使用例を以下に示します。

void CChildView::OnPaint()
{
   CPaintDC dc(this);

   CRect rc;
   GetClientRect(rc);
   rc.DeflateRect(10, 10, 10, 10);

   CBrush brush1;
   brush1.CreateHatchBrush(HS_BDIAGONAL, RGB(255, 0, 0));
   dc.FillRect(
      CRect(rc.left, rc.top, rc.Width()/2-10, rc.Height()/3-5),
      &brush1);

   CBrush brush2;
   brush2.CreateHatchBrush(HS_FDIAGONAL, RGB(255, 0, 0));
   dc.FillRect(
      CRect(rc.Width()/2+10, rc.top, rc.right, rc.Height()/3-5),
      &brush2);

   CBrush brush3;
   brush3.CreateHatchBrush(HS_DIAGCROSS, RGB(255, 0, 0));
   dc.FillRect(
      CRect(rc.left, rc.Height()/3+5, rc.Width()/2-10,
            2*rc.Height()/3-5),
      &brush3);

   CBrush brush4;
   brush4.CreateHatchBrush(HS_CROSS, RGB(255, 0, 0));
   dc.FillRect(
      CRect(rc.Width()/2+10, rc.Height()/3+5, rc.right,
            2*rc.Height()/3-5),
      &brush4);

   CBrush brush5;
   brush5.CreateHatchBrush(HS_HORIZONTAL, RGB(255, 0, 0));
   dc.FillRect(
      CRect(rc.left, 2*rc.Height()/3+5, rc.Width()/2-10,
            rc.bottom),
      &brush5);

   CBrush brush6;
   brush6.CreateHatchBrush(HS_VERTICAL, RGB(255, 0, 0));
   dc.FillRect(
      CRect(rc.Width()/2+10, 2*rc.Height()/3+5, rc.right,
            rc.bottom),
      &brush6);
}

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ビットマップの使用方法

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Marius Bancila(Marius Bancila)

VC++の分野でMicrosoft MVPを受賞。ノルウェー企業でソフトウェア開発者として勤務。主にMFCとVC#を使ったデスクトップアプリケーションの構築に従事。ブログ(www.mariusbancila.ro/blog)の内容はWindowsプログラミングが中心。2007年7月に、ルーマニア人の...

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