ジェンガ現象が招くもの
ジェンガ現象を示唆する例として、30年近く前の星新一氏の作品で痛烈なものがありました。
着替えも料理もすべて機械がやってくれる近未来の人間社会。 ある寒い夜、停電に。 寒さに死んでゆく人間を横目に、ペットの猿はすりこぎ棒をこすり始める。
なんかこの作品に近づいてきていないですか? お尻が拭けない園児、携帯がなければ待ち合せができない若者。 だんだん笑えない現象が起きはじめています。
ハイテク技術は本当に素晴らしいです。しかしローテク技術が、そもそもどんな理由があってそうなっているのかを常に考えませんか。原点を忘れないことでジェンガ現象の起きない進歩って可能だと思うのです。
例えば、IPフォンなら「自己発電型IPフォン端末」、水洗トイレなら、「レバー一体型電磁弁」、デジカメなら、「画像データ→ネガフィルム 転写サービス」なんてどうでしょう? もちろんコストや諸々の問題はありますが、そこを解決してきたのが日本の技術者です。200万円を切るハイブリッドカーだって作れるんです。古い技術を簡単に切り捨てるのではなく、うまく新しい技術を乗せて発展させることができると思うのです。