作業の流れ
環境設定作業の流れを簡単に説明します。
- ビルド作業用のユーザーの定義
- ビルド用のAntスクリプトの作成
- ビルド定義の作成
- ビルド・エンジンの実行
- ビルド・リクエストの投入
- ビルド結果の確認
一般的な運用では、1)から4)までをリリースエンジニアやビルドエンジニアが行い、開発者は5)以降を日々行うという形になるでしょう。
では、順々に見ていきます。
1)ビルド作業のユーザーの定義
ビルド・エンジンは、Jazzチームサーバーのクライアントとして機能します。従って、サーバーへアクセスするためのユーザーIDとパスワード設定が必要です。さらに、このユーザーIDに対して、ビルド実行の権限を与える特殊なライセンスを割り当てる必要があります。この割り当て作業は、Jazzの管理ツールで行います。
Webブラウザを起動して、[https://{Jazzチームサーバー}:9443/jazz/admin]へ管理者IDでログインします。図2は[ユーザー管理]機能の画面です。[クライアント・アクセス・ライセンス]の項目で、「Rational Team Concert - Build System(xx個使用可能)」をチェックしていますが、これでビルド用のライセンスをユーザー「hana」に割り当てたことになります。
以降のステップで説明するビルド・エンジンの実行では、このユーザーID「hana」が使われます。
2)ビルド用のAntスクリプトの作成
Antのビルドスクリプト作成します。ここでは、Eclipse JDTの機能を利用しましょう。[Java パースペクティブ]の[パッケージエクスプローラー]で、プロジェクトを選択して右クリック、図3のコンテキストメニューが表示されます。
[エクスポート]を選択すると、図4のダイアログが表示されるので、[一般]-[Antビルド・ファイル]を選択して、[次へ]をクリックします。
この後、エクスポート先として、今回のプロジェクト「HelloJazzWorld」を指定してください。図5のようになればOKです。
ここで、「build.xml」のアイコンが黄色い四角で囲まれていますね?これは、作業者のリポジトリー・ワークスペースにはファイルが追加されたが、統合領域である「ストリーム」にはまだ反映されていない(= build.xmlが転送されていない)、ということを示します。[保留中の変更]ビューから、[提供]を指示して、「ストリーム」に反映させましょう(このあたりは前回とりあげました。おさらいをしておきましょう)。