はじめに
Visual Studio 2008 Service Pack1(以下、VS2008)の追加機能の一つにASP.NET AJAXのScriptManager(ScriptManagerProxyも含む)コントロールの機能強化があります。また、11月にリリースされた、ASP.NET Controls for Silverlight(以下、Silverlightコントロール)もASP.NETユーザーにとって便利なコントロールです。
本稿では、ScriptManagerコントロールの機能強化とASP.NET Controls for Silverlightの利用について解説します。
今回触れる部分
- VS2008 SP1におけるjQuery IntelliSense/Tooltipの適用
- ASP.NET 3.5 SP1におけるScriptManagerの機能強化概要と利用
- ASP.NET Controls for Silverlightの概要と利用
必要な環境
次の環境が必要です。
- Visual Studio 2008
- Visual Studio 2008 Service Pack1
- Visual Studio 2008 SP1 用 Microsoft Silverlight Tools
- jquery-1.3.2-vsdoc.js
VS2008のインストールは、Visual Studio 2008入門 第1回を参考に行ってください。
VS2008 SP1インストーラの入手先
VS2008 SP1は、Microsoftダウンロードセンターからダウンロードできます。インストールはウィザードに従って進めるだけです。
Visual Studio 2008 SP1 用 Microsoft Silverlight Toolsの入手先
Silverlightコントロールは、Microsoftダウンロードセンターからダウンロードできます。こちらもインストールはウィザードに従って進めるだけです。
jquery-1.3.2-vsdoc.jsの入手先
jquery-1.3.2-vsdoc.jsは、jQueryのWebサイトからダウンロードできます。jquery-1.3.2-vsdoc.jsと共に、jquery-1.3.2.jsもダウンロードします。適用方法は次項で解説します(図1)。
なお、アプリケーションを配布する際に不要なコメントや空白、改行を省きソースコードを縮小したMinified版もちょっとしたTipsを利用することで適用できるので、必要とあらばMinified版のダウンロードを行いましょう。
VS2008 SP1におけるjQuery IntelliSense/Tooltipの適用
オープンソースのJavaScriptライブラリであるjQueryがVS2008に組み込まれることになりました。以下の手順により、VS2008上でjQueryのIntelliSenseを活用してコーディングができるようになります。
- MSDNコードギャラリからKB958502をダウンロードし、exeを実行
- VS2008のプロジェクトにjquery-1.3.2-vsdoc.js/jquery-1.3.2.jsを同一の場所に配置
- 利用するページ上に<script />要素で標準のjqueryファイルを参照設定して利用
これで、jQueryをIntelliSenseとToolTip付きで利用できるようになります。
Microsoft AJAX Libraryの活用はASP.NET AJAXとの連携部分だけに任せて、それ以外のScript部分はjQueryが使えるようになるので、Web開発者にとって好評であるjQueryをお手軽に利用できるようになる今回のパッチとライブラリのリリースは多くの開発者に歓迎されています。
KB958502の挙動とMinified版jQueryを利用する方法
KB958502を適用すると、VS 2008は以下の順番にJavaScriptファイルを検索し、見つけたものを適用します。
- mylibrary-vsdoc.js:ここでは、jquery-1.3.2-vsdoc.js
- mylibrary.debug.js:jQueryには存在しないが、あるとすればjquery-1.3.2.debug.jsとなる
- mylibrary.js:ここでは、jquery-1.3.2.js
ファイル名の検索で見つけた物を参考にするので、ダウンロードしてきた状態の''jquery-1.3.2.min.js''は検索の対象外となります。つまり、Minified版を利用したい場合は、ファイル名を''jquery-1.3.2.js''に修正するだけでOKです。