はじめに
Google App Engine for Javaでは、Servlet/JSP以外にJavaで実装されたスクリプト系言語も動作させることができますが、前編ではQuercusを使用して簡単なPHPスクリプトを動作させる方法について紹介しました。
Google App EngineではRDBMSやファイルにデータを出力することはできませんが、App Engineデータストアという仕組みを利用してデータを永続化することができます。
後編である本編では、このApp Engineデータストアを使って、データを保存する方法を説明します。
対象読者
- Google App Engine for Javaに興味がある方
- PHPについての基本的な知識のある方
- スクリプト言語、特にPHPのクラウドコンピューティング環境に興味のある方
必要な環境
本記事ではEclipse 3.4.1(Ganymede)、Google Plugin for Eclipseを開発環境として使用します。また、必要なライブラリとして、Quercus、Jettyを使用します。
これらの環境を構築する手順については、前編を参照してください。
なお、執筆時点でのGoogle App Engine Java SDKのバージョンは1.2.0でしたが、現時点での最新バージョンは1.2.1です。本記事のサンプルは、1.2.0と1.2.1の両バージョンで動作することを確認しています。
App Engineデータストア
Google App Engineではデータの保存はApp Engineデータストアと呼ばれる仕組みを使って実現します。
Google App Engine for Javaでは3種類の方法が用意されています。
- JDO(Java Data Objects)
- JPI(Java Persistence API)
- low-level datastore API
JDOとJPAはどちらもJavaのオブジェクトを永続化する仕組みとしては標準的な仕様です。App EngineデータストアについてはThe Datastore Java APIに詳しく説明されていますので参照してください。
Google Plugin for Eclipseでプロジェクトを作成すると、JDO対応のファイルが作成されることから、本記事ではJDOを使う方法について簡単に説明します。
App Engineデータストアについては『Google App Engine for Javaを使ってみよう (5)Datastore Java API』も併せてご参照ください。