メニーコアへも対応するCtテクノロジーを機軸に展開
菅原氏の講演のあと、James Reinders氏がインテルの並列化に関する今後のロードマップについての講演を行った。Reinders 氏は、並列化への今後の取り組みは、大きく分けて3つあるとし、「1. HPC 製品への投資」「2. インテルParallel Studioへの投資」「3. 並列プログラミング推進のための投資」の順にプレゼンテーションを行った。
1. HPC製品への投資
15年ほど前から展開し、UIを中心とした試行錯誤を行ってきた「VTuneパフォーマンス・アナライザー」に「インテルParallel Amplifier」の主要な強化機能を含む多数の新機能を追加する。「インテル スレッド・チェッカー」ではメモリのチェック機能やLinuxでも利用可能とするなど、「インテルParallel Inspector」の強化機能を提供すると説明した。
また、並列マルチスレッドプログラミング言語Cilk++について「TBBに似ているが、キーワードをコンパイラの中に展開して違った形の並列化を実現します。これは個人的にはよいアイデアだと思います」と語り、さらに買収したRapidMind社の製品に、スケールコンピューティングのためのCtテクノロジーを導入する予定であるとした。
なお、今年6月にアップデートされた「Fortran/C++ コンパイラー」は2010年の4Qに新バージョンをリリース予定だ、とも述べた。
2. インテルParallel Studioへの投資
並列化実装に向けたアドバイスをするツールである「Parallel Advisor」は、既に提供している初期バージョンの「Parallel Advisor Lite」からのフィードバックをもとにアップデートしていくとした。加えて、Windows 7や最新のVisual Studioアップデートへも順次対応し、Microsoft Concurrency Runtimeをサポートすると述べ、来年実現できるかどうかは明言できないが、.NETのサポートも視野に入れているという。メジャーバージョンアップは2010年Q3にリリース予定とのこと。