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Windows Azureで作成するアプリケーションの基礎

SQL Azureの概要とSQL Azure Databaseを使ったアプリケーション開発

Windows Azureで作成するアプリケーションの基礎(5)

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SQL Azure Databaseを使ったサンプルの作成

 それでは、実際にSQL Azure Databaseを使用してサンプルアプリケーションを作成してみましょう。

サンプルの内容

 図2のような商品データの管理を行うシンプルなアプリケーションを作成します。

図2:今回作成するサンプル画面
図2:今回作成するサンプル画面

 サンプルは、ListViewコントロールを用いて、商品データのCRUD(作成、読み出し、更新、削除)操作を実現しています。

説明の流れ

 まず、ADO.NETやデータコントロールを使用してSQL Server 2008(サンプルでは無償のExpress Editionを使用)にアクセスする一般的なASP.NET Webアプリケーション(以降、Webアプリケーション)を作成します。

 次に、このサンプルをWindows Azureアプリケーション(以降、Azureアプリケーション)に変更します。最後に、ADO.NETを使用したままデータベースをSQL Serverからクラウド上のSQL Azureに変更し、サンプル自体もクラウド環境に配置します。

 このようにして、SQL ServerにアクセスするWebアプリケーションが、わずかな変更で、SQL Azureにアクセスするクラウド上のAzureアプリケーションになることがお分かりいただけるでしょう。

最初の一歩
- SQL ServerにアクセスするWebアプリケーション -

 サンプルを実行するために、あらかじめSQL Server上に、Shopという名前でデータベースを作成し、Productsテーブルを次の表にある定義で作成します(記事に添付しているサンプルデータのDatabaseフォルダに、何件かのサンプルデータを入力したデータベースファイルShop.mdfが含まれていますので、アタッチして使用することができます)。

Productsテーブル
列名 データ型 概要
ID int 商品ID(主キー)
Name nvarchar(50) 商品名
Description nvarchar(MAX) 説明
Price int 価格

 では、ADO.NETを使用してSQL Server上のProductsテーブルにアクセスするWebアプリケーションを、次の手順で作成します。

[1]新しいプロジェクトを作成する

 新規にプロジェクトを作成します。テンプレートは「ASP.NET Web アプリケーション」を選択し、「WebApplicationSample」というプロジェクト名で作成します。

[2]Default.aspxにコントロールを配置する

 図3のように、Default.aspxの[デザイン]ビューを表示しツールボックスからコントロールを配置します。タイトル表示用にLabelコントロールを、商品データの表示・編集用にListViewコントロールを配置します。

図3:Default.aspxの[デザイン]ビュー
図3:Default.aspxの[デザイン]ビュー

[3]ListViewコントロールの設定

 「データ ソース構成ウィザード」を使用して、ListViewコントロールとSQL Server上のShopデータベースのProductsテーブルを関連付けます。

 その際に、「ShopConnectionString」という名前で接続文字列を保存します。そして、詳細設定から[INSERT、UPDATE、および DELETE ステートメントの生成]にチェックし、ウィザードを完了します。

 次に、ListViewのコントロールのコンテキストメニューから[ListView の構成...]を選び、ダイアログを表示します。[レイアウトの選択]は「グリッド」を、[スタイルの選択]は「プロフェッショナル」を選択します。編集、挿入、削除を有効にする各チェックボックスをチェックします。

 手順を終えて、Default.aspxの表示を[ソース]ビューに切り替えてみると、SqlDataSourceコントロールに対して、次のリスト1のようにSQLステートメントが設定されていることが確認できます。

[リスト1]SqlDataSourceコントロールのSQLステートメント(Default.aspx)
DeleteCommand="DELETE FROM [Products] WHERE [ID] = @ID"
InsertCommand="INSERT INTO [Products] ([Name], [Description], [Price]) VALUES (@Name, @Description, @Price)"
SelectCommand="SELECT * FROM [Products]"
UpdateCommand="UPDATE [Products] SET [Name] = @Name, [Description] = @Description, [Price] = @Price WHERE [ID] = @ID">

 以上の手順で作成したプロジェクトをビルドし実行します。先程の図1のように実行結果が表示されるはずです。商品データの表示、編集、削除、挿入を試してみてください。

 ここまでで、ADO.NETやデータコントロールを使用してSQL Serverにアクセスする、一般的なWebアプリケーションを作成することができました。

次のページ
サンプルをWindows Azureに対応させる

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 土井 毅(ドイ ツヨシ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/4558 2009/11/20 14:00

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