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Windows Azureで作成するアプリケーションの基礎

SQL Azureの概要とSQL Azure Databaseを使ったアプリケーション開発

Windows Azureで作成するアプリケーションの基礎(5)

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サンプルをWindows Azureに対応させる

 それでは次に、このサンプルをWindows AzureのWebロールに変更してみましょう。ここではまだ、データベースはローカル環境のSQL Serverのままで、クラウド環境への配置は最後に行います。

 現在のところ、ASP.NETのWebアプリケーションのプロジェクトをCloud Serviceプロジェクトに変換する、Visual Studioの機能や他のツールは提供されていませんので、ここでは新規にCloud Serviceプロジェクトを作成し、手動でWebアプリケーションの中身をコピーすることにします。このように聞くと難しそうに思えますが、実は手順はとても簡単です。

 次の手順で作業を行います。

[1]新しいプロジェクトを作成する

 新規にプロジェクトを作成します。テンプレートは「Cloud Service」を選択し、「SQLAzureSample」というプロジェクト名で作成します。その後で表示される[New Cloud Service Project]ダイアログで、一つの「ASP.NET Web Role」を追加します。

[2]Default.aspxの中身をコピーする

 作成したプロジェクトのWebロールの下にある、Default.aspxの[ソース]ビューを開きます。そして、Webアプリケーション側のDefault.aspxの<html>タグ以降を、上書きコピーします。

[3]Web.configを編集する

 Web.configを開きます。そして、次のリスト2にあるように、Webアプリケーション側のWeb.config中にあるShopConnectionString接続文字列を<connectionStrings>要素の子要素としてコピーします。

[リスト2]ShopConnectionString接続文字列(Web.config)
<connectionStrings>
  <add name="ShopConnectionString" connectionString="Data Source=.\SQLExpress;Initial Catalog=Shop;Integrated Security=True" providerName="System.Data.SqlClient" />
</connectionStrings>

 以上で、変更作業は終了です。

 さっそくプロジェクトをビルドし実行してみます。すると、先程のWebアプリケーションとまったく同じ画面が表示され、ローカル環境のSQL ServerにアクセスするAzureアプリケーションが正常に動作していることが分かります。

SQL Azureを使用するための準備

 ここでいったんアプリケーションからは離れ、SQL Azureを使用するための準備を整えておきましょう。

 SQL Azure CTPを使用するためには、invitation code(招待コード)が必要となります。これは、Windows Azureを使用するのに必要なinvitation tokenとは異なり、別途申請が必要です。

 Azure Services Developer Portalにサインインし、左側のメニューから[SQL Azure]をクリックします。すると、図4のようにInvitation Codeページが表示されます。

図4:Invitation Codeページ
図4:Invitation Codeページ

 このページの下の部分にある「Note: If you do not have an invitation code, please go here to join our mailing list to receive one. 」という表示の「mailing list」の部分がリンクになっていますので、そこをクリックすると、「SQL Azure Registration」というページが表示されます。必要事項を入力し[送信]ボタンをクリックします。

 数日中に登録したメールアドレスにinvitation codeが送られてきますので、先程の図4の画面でそのinvitation codeを入力し[Submit]ボタンをクリックします。次に表示されるTerms of Useページで[I Accept]ボタンをクリックします。

 実際にSQL Azureを使用するためには、まずサーバーを作成する必要があります。invitation codeの入力後、図5のようにCreate Serverページが表示されています。

図5:Create Serverページ
図5:Create Serverページ

 この画面で、管理者用ユーザー名とパスワードを入力します。「Location:」は「South Central US」のみ選択可能ですので、そのままにしておきます。入力後、[Create Server]ボタンをクリックします。これでサーバーが作成され、SQL Azureを使用するための準備が整いました。

次のページ
SQL Azure上にデータベースを作成する

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 土井 毅(ドイ ツヨシ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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