マイクロソフトは13日に会見を開き、統合開発ツールの次期バージョン「Microsoft Visual Studio 2010」について発表を行った。同日よりベータ2 日本語版の一般向け提供も開始されており、マイクロソフトのウェブサイトから入手できる。
マイクロソフトは13日に会見を開き、統合開発ツールの次期バージョン「Microsoft Visual Studio 2010」(以下、Visual Studio 2010)について発表を行った。同日よりベータ2 日本語版の一般向け提供も開始されており、マイクロソフトのウェブサイトから入手できる(Ultimate版のみ)。製品版のリリースは2010年上半期を予定。
同社デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏は、「Visual Studio 2010は、新しいテクノロジーに興味や情熱を持っている開発者の皆様に、非常に大きなパワーと可能性を提供できると信じている。Windows 7やWindows Phoneなど、多機能で使いやすい新プラットフォームが普及し、Windowsを軸にしたビジネスが広がってIT業界全体にポジティブな影響を与えられるかどうかは、よいソフトウェアがたくさん現れるかどうかにかかっている」と、同社の製品戦略的位置付けにおいても開発ツールを非常に重要視していることをアピールした。
また、次々と登場する新技術をキャッチアップするのは大変であることも述べ、ASP.NET開発のスキルをWidnows Azure上での開発にも活かせる等、同社では開発者の既存の知識やスキルを有効活用できるように強く意識していることも述べた。
開発ツール製品部の近藤和彦氏は、Visual Studio 2010の特徴について「ソフトウェア+サービス戦略を実現するための機能強化」と総括し、機能の観点からは「UMLサポートやIDE強化による、開発ライフサイクル全体を通した開発生産性の向上」「新プラットフォームやマルチコアアプリケーション開発といった次世代技術への対応」「デバッガーの機能拡張やテストプロセス専用の新ツールによるテスト機能の強化」の3点を挙げた。新機能の詳細は、MSDNでも公開されている。
Visual Studio 2010では、Visual Studio 2005から複雑になっていた製品構成が見直され、クライアント開発ツールは、開発工程全般をサポートする「Visual Studio 2010 Ultimate」、開発工程にフォーカスし高い品質と生産性をサポートする「Visual Studio 2010 Premium」、プロフェッショナルな開発に必要な基本機能を提供する「Visual Studio 2010 Professional」の3つのエディションに集約された。ホビーユースや小規模ビジネス用に開発言語ごとに提供されていた「Visual Studio 2010 Express」も引き続き提供されるようだ。
また、テスト関連製品として、テストプロセスを包括的にサポートする「Visual Studio Test Elements 2010」と、Hyper-Vでテスト環境を仮想化しライブラリ管理を実現する「Visual Studio Team Lab Management 2010」が製品群に新しく追加された。
チーム開発の支援には「Visual Studio Team Foundation Server 2010」があり、今回から「基本構成」というインストールオプションが追加され、機能の一部をクライアントOSにインストールし、高度なソースコード管理機能を利用することも可能になった。
Visual Studio with MSDN Subscriptionのユーザーが、Visual Studio 2010の正式リリース時に、Subscriptionのレベルに応じて同等または上位のエディションに移行できる「究極のオファー(Ultimate Offer)」キャンペーンも実施されている。2010年3月22日までの期間限定を予定。
その他、MSDNオンラインのリニューアルや、11月中旬に公開予定のコードサンプルと関連情報を提供するサイト「Code Recipe(コードレシピ)」等、開発者を支援する施策も併せて進められている。
【関連リンク】
・Visual Studio 2010 ベータ2 ダウンロード
・Visual Studio 2010の概要
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斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)
株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...
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